Apr 23, 2022 interview

津田健次郎が語る “表現”へのリスペクトが胸にあった『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』

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真面目でお茶目なルシウスの魅力

池ノ辺 津田さんにとってルシウスはどんな人ですか。

津田 とにかく生真面目な‥‥、

池ノ辺 津田さんと似てる?

津田 いえ、全然違うと思います、僕はこんな真面目じゃないんで(笑)。お風呂作りにとにかく情熱を注いで、そこに対して一喜一憂していく、今で言えばクリエイターですね、ローマ時代のフロクリエイターというところにひたすら邁進している感じです。

ルシウスが、日本の現代の銭湯とか、飲み物やシステムなどを素晴らしいと思ってローマに持ち帰って、そこでそれを自分なりにアレンジしていく。するとローマのお風呂ライフが劇的に良くなって、それをみんなが喜んでくれるわけです。そこは彼も満足している部分だとは思いますが、一方で、これは本当は自分が作ったものじゃない、オリジナルは俺じゃないんだと、そういう葛藤を抱えているのはすごく共感できる部分もあります。

池ノ辺 今回、ラテン語をかなり喋っていましたよね、あれは大変でしたでしょう?

津田 苦労はしましたね。最初は、音声と紙にラテン語にカタカナがふってある紙だけでやっていたんです。ところが実際にそれをお芝居に落とし込もうとすると、言葉の構造がわかっていないので、どこで切るかとか、例えば日本語で言えばここを強調したいんだけれどそれがどこに当たるかもわからなくて‥‥。最終的にはスタッフさんにお願いして、後日ラテン語だけの収録日を作ってもらい、そこにラテン語の先生をお呼びして、先生にいろいろ聞きながら、その場で発音など修正してもらいながら収録しました。まあ面白かったですけど、大変だったことの一つです。

津田健次郎が語る “表現”へのリスペクトが胸にあった『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』

池ノ辺 今回のルシウスは、低音の響いた、でもすごく優しい声で、ちょっとエッチで、素敵でした。だっていつも裸なんだもの(笑)。3分の2くらい裸でしたよね。お風呂だから仕方ないけど。

津田 ほぼほぼ裸ですね。

池ノ辺 際どいところがあったりして見ているこちらはおおっととなるんだけど、裸で堂々としてる、それがすごくうまく表現されていていました。裸のシーンって恥ずかしくなかったんですか?

津田 全然。だってお風呂に入っていますから(笑)。

池ノ辺 そのお風呂に入っている感じが、ちょっと色っぽくて、津田さんの声がピッタリでした。聞いたところでは、原作者のヤマザキマリさんが「今回のルシウスは、お茶目な感じがあってすごく良かった、ルシウスって真面目なんだけどかわいいんですよね」とおっしゃっていて、たいへん好評だったようです。

津田 うわぁ、ありがとうございます。良かったぁ、それは本当にほっとします。そうなんですよ、ルシウスってお茶目なんですよ。それも含めて、とても優秀なコメディだと思っていました。

池ノ辺 真面目で一生懸命で、奥さんに頭が上がらず‥‥でもすごいなと思ったのは、日本に来て驚いて、えーっ!!とか言いながらも、どんどんいろんなことを吸収していくんですよね。

津田 すごく貪欲だと思います。普通だったらパニックになって終わりじゃないですか。でもパニックになりながらも冷静に分析して、これを持ち帰ろうとか、そういう意味では本当に優秀な人間なんだと思います。

池ノ辺 お茶目で愛されるキャラをやって、ヤマザキマリさんにも喜んでいただけたようで、良かったですね。

津田健次郎が語る “表現”へのリスペクトが胸にあった『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』