Dec 29, 2021 interview

目指したのはエンタメと問題意識のバランス 坂下雄一郎監督が語る『決戦は日曜日』

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イメージ通りだった宮沢りえと窪田正孝

池ノ辺 取材を経て脚本を書いていく上で、どんなところに悩みましたか?

坂下 観ている人に本当っぽいなと思ってもらえるような感じを出すためには、どうすればいいか迷いました。議員がワイワイ言ってるのを、秘書が醒めた目で見ているという設定で作ろうと思ったのは、そういうところで悩んだ結果ですね。

池ノ辺 宮沢さんと窪田さんには、現場でどんな演出をされたんですか?

坂下 撮影に入る前に集まって本読みをして、それで違うところがなかったので、あとは言い方が強めとか、優しそうにとか細かい部分を伝えたぐらいで、根本から演技を変えてもらうことはなかったです。

池ノ辺 本読みの段階で宮沢さんも窪田さんもイメージ通りだったんですね。

坂下 そうですね。こういう感じだったら良いなっていう事前の思いから外れることなく、良いものを見せていただきました。

池ノ辺 宮沢さんは舞台もされているから声も通るし、動きも素晴らしかったですね。私は、後援会のおじいさん3人が、すごくリアルに見えて、本物の後援会の人を呼んできたのかと思ったんですよ(笑)。

坂下 ちゃんとした俳優さんです(笑)。キャスティング担当の方に候補を上げていただいて、事前に映像などで見てお願いしました。

池ノ辺 後援会っていう存在についても、取材のときにリサーチされたんですか?

坂下 秘書の方に訊くと、後援会は一番大事な存在で頭が上がらないと仰っている方もいました。

池ノ辺 たしかに後援会の支援によって、どれくらい票が集まるか左右しますもんね。撮影はコロナの最中だったんですか?

坂下 そうです。去年の12月です。年末の感染者が急増する少し前に撮影を終えることができました。