Dec 11, 2021 interview

「僕はたけしさんを芸人としてすごく尊敬している」監督・劇団ひとりが『浅草キッド』を語る

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Netflixがもたらす職場環境

池ノ辺 『青天の霹靂』に続く監督作品を、今回は初めてNetflixで撮られたわけですが、映画の作り方に今までと違いはありましたか?

ひとり やっぱりアメリカの会社だから、結構細かく言われるだろうなと覚悟していたんですよ。それが全然何にも言われませんでしたね。脚本のことも、商業的なことで色々言われるんじゃないかとかね。もっと派手なシーンを入れろとか、ここにも有名なキャストを入れろとか。でも一つもなかったですね。プロデューサーと物語を良くするっていう意味で脚本についてディスカッションはしたけど、大人の作為的なことでの要望みたいなのは一切なかったです。

池ノ辺 撮影する前に講義を受けたんですって?

ひとり リスペクトトレーニングですか? 専門家の方が登壇されて、大きいスクリーンでパワポを使いながら、その行動や言動に相手への「リスペクト」があるかという話をしてくれるんです。こういうことをやるとパワハラになるとか、セクハラになりますっていう話を全員が聞くんです。

池ノ辺 スタッフは、それを全員受けるんですか?

ひとり 演者も含めてやるんです。それを受けないとNetflixの作る作品には関われない。映画の撮影現場って怒号が飛び交うイメージがあるじゃないですか。

池ノ辺 「そこ、なにやってんだ、どけ!」とかね。

ひとり そういうのも一切なかった。僕はもともと怒号は飛ばさないし、怒号を飛ばす人が嫌いだから、現場がやりやすかったですね。

池ノ辺 ちゃんと休憩を取ることも決まってるんですか?

ひとり そうです。何時間以上撮影しちゃいけません、撮休は何日取ってくださいとかルールがあるので。だから、すごく健康的でしたよ。

池ノ辺 撮影現場って、みんなヘロヘロになる印象がありますね。

ひとり あれは良くないですよ、やっぱり。パフォーマンス落ちていきますからね。食事もケータリングを出してくれるんですよ。

池ノ辺 じゃあ温かいご飯を食べられたんですね。

ひとり いわゆるADさんがそこらへんのコンビニで買って来るような、あれじゃないんですよ。ちゃんとケータリング屋さんが来て、あったかいコーヒーとか、フランクフルトとか肉まんとかをセッティングしてくれるんです。

池ノ辺 何が美味しかったですか?

ひとり 牛乳に挿すだけで、チョコレート牛乳になるストローがあるんです。ストローの中にチョコレートの粒みたいなのが詰まっていて、普通の牛乳を飲むとチョコレート牛乳になる。これが美味しくて、我が家では必需品になりましたから。いつもストックがあるぐらい。撮影現場で寒い時にそういうのがちょっとあるだけで、ありがたいですよね。

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