Dec 11, 2021 interview

「僕はたけしさんを芸人としてすごく尊敬している」監督・劇団ひとりが『浅草キッド』を語る

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柳楽優弥が持つ孤独と狂気

池ノ辺 そもそも、たけしさん役に柳楽さんを選ぶ発想がすごいと思うんですよ。

ひとり 僕はたけしさんを芸人としてすごく尊敬しているし、面白いって思っているんですが、人柄としては孤独というのがぴったりくるんですよね。それはもう天才がゆえの孤独、どこまで行っても誰とも分かち合えないんだろうなって思うんです。その雰囲気が柳楽さんにはあるんですよ。それで怖くてゾッとする瞬間があるんです。たけしさんがまさにそうじゃないですか? ふとした瞬間にめちゃくちゃ怖いんですよね。

池ノ辺 言われてみると、たけしさんと柳楽さんって通じるものがありますね。

ひとり 柳楽さんの佇まいが、たけしさんにピッタリだなと思ったんです。

「僕はたけしさんを芸人としてすごく尊敬している」監督・劇団ひとりが『浅草キッド』を語る

池ノ辺 ナイツの土屋伸之さんが演じたビートきよしさんも、ソックリでしたね。私は、しばらく本人が出てるのかと思って見てました。きよしさんも物まねから始めたんですか?

ひとり きよしさんは、実はほとんど演出してないです。

池ノ辺 でも顔つきや、間合いが完全にきよしさんでしたよ。

ひとり たけしさんの傍にきよしさんが優しく寄り添う感じが、ナイツの土屋くんの雰囲気と、ちょっとダブって見えたので、浅草が舞台ということもあって、オファーしたんです。

池ノ辺 ナイツのおふたりは、『浅草キッド』の舞台となるフランス座(浅草フランス座演芸場東洋館)で今も舞台に立って漫才をやってますもんね。

ひとり だけど、あそこまで見事に演ってくれるとは思わなかったです。土屋くんにお願いしたのは、漫才の部分を成立させるには、どうしてもプロの力を借りるしかないと思っていたからなんです。だから、芝居の部分はしょうがないかなと思っていたんですよ。なんせ塙(宣之)が、とんでもない棒ですからね(笑)。あの塙の相方だから、そんなに期待はできないだろうと思っていたんですけど。

池ノ辺 土屋さんは全然、棒じゃなかったですよ。素晴らしい!

ひとり 本当にナチュラルな芝居をしてくれて。たぶん、今後役者のオファーがけっこう来るんじゃないかなと思いました。

「僕はたけしさんを芸人としてすごく尊敬している」監督・劇団ひとりが『浅草キッド』を語る

池ノ辺 予告編の中に堤防の上で漫才の練習しているツービートが映るんですけど、二人ともそっくりなんですよね。土屋さんをはじめ出演された芸人さんたちは、『浅草キッド』の出演オファーには喜ばれたんじゃないですか?

ひとり 喜んでくれたとは思います。でも、プレッシャーの方が大きいんじゃないですかね。もし仮に僕にオファーが来たら、相当日和ると思います。

池ノ辺 でも、オファーが来たら演るでしょう?

ひとり それはやりたいでしょう!

池ノ辺 ひとり監督はたけしさんの物まねもやってるじゃないですか。自分で監督・脚本・主演を兼ねて、たけしさん役を演ろうとは思わなかったですか?

ひとり うーん、僕が演るたけしさんは、あくまでも物まねだし、柳楽さんが演ったような深みのある芝居が出来ないですからね。何よりも主演の格じゃないですから、僕が。

池ノ辺 でも映画で主演やってるじゃないですか?

ひとり 『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』? あれはちょっと比べるものじゃないから(笑)

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