Jul 31, 2020 interview

映画でもテレビでもないフォーマットの自由さがNetflixの強み

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日本発のオリジナル企画は誰に向けて作られるのか?

――これからも日本発で製作されるNetflixのオリジナル作品が控えてるんですか?

はい。今、世界各国の約100拠点でNetflixのオリジナル作品を制作しています。先ほど池ノ辺さんも仰っていたように、その国の言語や、その国で親和性のある俳優さん、声優さん、クリエイターさんが手掛けている作品が最も観ていただける傾向にあります。メンバーの皆さんがご覧になりたい作品は、実はどの国でも同じ傾向です。そうした意味でも弊社は世界各国に製作拠点を置く必要を感じており、ここ2~3年急ピッチで作品づくりのローカル化を進めています。

――本国のアメリカだけを中心に考えているわけではないんですね。

そうなんです。メンバー数もアメリカ国内よりも日本を含めたそのほかの海外の方が圧倒的に多いです。メンバーの皆さんに楽しんでいただくために、ローカルでの製作をより進めていきたいと思っています。日本では、独占配信するオリジナル作品を2015年から配信していますが、非常にレアケースで、他の国はハリウッドなどで手がけられた作品をまずは配信して、徐々にローカルのコンテンツを増やしていくという流れになります。

――今後はいっそう各国発のオリジナル作品が観られるわけですね。日本もその傾向はさらに強まるのでしょうか?

日本でも日本発の実写作品、日本発のアニメ作品をさらに増やしていきたいと考えています。

――日本発のオリジナル企画を立てるときは、海外でも配信されることを意識するわけですか?

日本発の作品を海外で配信するときに、わざわざ海外の方が好きであろう日本を意識して作ると、かえって誰にも響きません。そのため日本発のアニメ、実写の作品において、まずは日本の方が観て面白いと思ってもらえるということが大切です。そして、そのような作品をしっかりと海外の方にも理解してもらえるように多言語化するインフラを作ることが、世界に日本を力強く届けられる一番の方法だと思います。

――蜷川実花さんが監督した『FOLLOWERS』は、海外を意識しつつ、日本の観客も意識した作品でしたね。

蜷川監督も、当初海外で観られることを意識することに関して迷われたと思います。ただ、海外を意識しすぎるとかえって誰向けの作品かがわからなくなってしまうため、Netflixから「日本の良さで、日本のファンに向けて作ってください」とお話した経緯もありましたので、ある意味安心して頂けたのではないでしょうか。どのような作品でも、日本の方にまず届くような作品を作ることを、蜷川監督や『全裸監督』の武正晴監督も意識されていたのではないでしょうか。

――『全裸監督』は非常に面白くて、男女問わず誰もが観てたんじゃないかと思うほどでした。パート2も作るんですか?

ありがとうございます。『全裸監督』シーズン2は、来年配信開始予定です。