全世界の有料メンバー数が今年の7月現在で1億9300万人を達成したNetflix。新型コロナウィルスによる世界的な巣ごもり期間中にも更に会員数を増やし、昨年比では2600万人増を記録。動画配信サービスは今や〈ライフライン〉になったと言っても過言ではないことを示した。日本でも2015年9月のサービス開始以来、年々人気を増し、独占配信される日本オリジナルコンテンツの人気も高い。映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』の池ノ辺直子が代表を務める予告編制作会社バカ・ザ・バッカは、『日本沈没2020』の予告編制作をはじめNetflixとの関わりも深い。長らく映画業界を見つめてきた池ノ辺直子は、Netflixに熱い期待を寄せる。今回は『日本沈没2020』の見どころ、日本発のオリジナル作品を全世界で配信する上で意識すること、そしてテレビと映画のフォーマットを破るNetflixの試みを広報担当者に語っていただいた。
『日本沈没2020』を今、世界に届ける理由
――7月9日から、『日本沈没 2020 』の配信が始まりましたが、すごく面白かった!予告とTVスポットを作らせてもらった時に、出来上がった作品をスタッフと一緒に試写室で観たのですが、ハラハラドキドキ。日本でも新型コロナが広がり始めたときだったんです。だから、これから世界がどうなっていくのか、その中で日本は、日本人はどうすべきなのか? ということが頭をよぎっていたんですが、ちゃんとそのことを描いていて、今のタイミングで配信されたのは逆に良かったんじゃないかという気がしたぐらいです。
どのような作品でも配信をスタートするタイミングには正解がありません。ただ『日本沈没2020』の魅力は、2020年という今の時代を生き抜こうとしていく人々に捧げられた前向きなストーリーというところ。突きつめると、家族の希望や、再生に向かう日本という国家を、湯浅監督の視点から描かれた作品ですので、日本人ならいつ観ても本当に面白くて刺さる作品ではないでしょうか。湯浅監督も希望の物語だから、ぜひ日本の方に観ていただきたい、とお話されているようですし、我々もまさにそこに共感して世界に届けていきたいと思っています。
――予告編で泣いちゃったというツイートもありましたが、私も最初に観たときは泣いたんです。
非常に共感を促すような設定もあり、いつ観ても楽しんでいただける作品だと思います。
――『日本沈没2020』も全世界に同時配信されているんですよね?
はい。28言語に多言語化されて一斉に全てのエピソードを配信します。一気にご覧になる方もいれば、週末にゆっくりご覧になる方もいらっしゃるかもしれません。そのような自由度が高いのはNetflixのような配信サービスの良さでもあると思いますので、皆さんにそれぞれのペースで楽しんでいただけると嬉しいです。