Jul 24, 2020 interview

「求められているのは、好きなときに好きな作品を観られること」広報担当者が語るNetflixの原点

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Netflix 日本上陸の衝撃

――2015年にNetflixが日本に入ってきたときは、「これは何だろう?」って思っている人が私の周りでも多かったんですが、ちょうどそのとき、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(日本公開1985 年)の公開30周年を記念したイベントがロサンゼルスで行われて、私も参加したんです。そこでは『バック・イン・タイム』(日本公開2017年)という『BTTF』のドキュメンタリーが上映されるというので、どうしても観たくて行ったんですね。それで観終わったときにまず思ったのが「日本語字幕スーパーがほしい」ってことなんです。ホテルに帰ってネットを調べてみたら、Netflixさんでその日に全世界で配信開始って書いてあるの!思わずロサンゼルスのホテルの中で日本のNetflixの会員になったんです(笑)。それで日本語字幕スーパーが入った状態でまた『バック・イン・タイム』を観て楽しませてもらったんです。そのときに、これから全世界の映画が同時に翻訳されて観られる時代が来るって思って、これは新しい風が吹くってすごく思ったんです。それが2015年の10月だったんです。

そういった経緯があったとは !! ありがとうございます !

――その後、バカ・ザ・バッカでは、『野武士のグルメ』の宣伝をお願いできますかってNetflixさんから言われて、そこから御社の作品のお手伝いをさせていただくようになりましたが、私は日本に上陸した頃からNetflixさんのファンなんです(笑)。ところでNetflixには多く観られている作品が何か分かるようになっていますが、TVスポットによって、ランキングに変化は出ますか?

Netflixのサービス上から「今日の総合TOP 10」を見ていただくと国内で人気の作品が ひと目で分かると思いますが、TOP 10に入る作品は必ずしも大きく宣伝している作品ではないことにもお気づきかと思います。弊社の宣伝の中で、最も作品を選んでいただけるようお客様に届けられるのは、実際のNetflixのサービスだと思っています。




――なるほど !

なぜかと言うと、Netflixのメンバーがサービス上にログインしたときに見たい作品や、興味のある作品を、しっかりとおすすめ機能で、一番上、もしくは左側に出していくことをサービス上でやっています。

ですから、必ずしもTVスポットを大量に出す=「今日の総合TOP 10」に入る、というわけではないと思っています。そのため、おすすめ機能をよりご活用いただけるように、毎日試行錯誤しています。SNSで非常に話題になったり、全く違うルートから入ってきてくださる方もいらっしゃるので、そういう意味では話題の源は様々なところにあることを意識させられます。

――TVスポットを打つことで加入者の方が増えるということはあるんですか?

まずNetflixのことを知っていただきたいと思います。Netflixの作品はどこで観られるのか? 地上波のテレビなのか?映画館で観られるのか?といったことを従来の感覚からすると思ってしまうと思いますが、Netflixで独占配信されている作品で、どこで観られるかきちんと分かることが、お客様が求めていることではないでしょうか。

そのようにして、作品ひとつひとつの素晴らしさに加えてNetflixのブランドそのものを少しでも知ってもらえる機会になると捉えています。