映画をとおして知る世界
――では、次は星さん自身のお話を聞かせてください。どういうきっかけで映画の宣伝を始めたんですか?
2013年にビターズ・エンドに入ったんですが、その前は通信キャリアで働いていました。
――最初から映画の宣伝をしようとは思ってなかった?
学生のときに「東京学生映画祭」という学生が作った自主映画を集めて上映するイベントの運営スタッフを長らくやっていたり、映画館でアルバイトをしたり…と、漠然と作り手と見る側を繋げる仕事に将来つけたら良いなと思っていました。インターンで松竹さんの宣伝部にお邪魔したこともあったんですが、そのときに異業種から転職されてきた方も何人かいらっしゃって、大卒後はマーケティングだったり、異業種だからこそ学べる価値観だったりをまずは身に着けたいなと思ったんです。
―― 一般の会社で働いて、そこから次は映画の宣伝をやろうと思って転職したわけですか?
映画業界にすんなり転職できるとは思ってもなかったんですが、タイミングよく好きな作品が多かったビターズ・エンドの求人が載っていたので履歴書を送ったら面接をしてもらえて、入社することになりました。
――星さんは『パラサイト』や『在りし日の歌』の様なアジアの映画の宣伝を中心にやっている印象がありますね。
アジアの映画もやるのですが、弊社が配給する映画は色んな国の映画があるので、アメリカやヨーロッパ、キルギスの映画や邦画も担当したことがありますし、そうした経験が『パラサイト』の宣伝にもつながったのかもしれません。
――もともと小さい頃から映画はお好きだったんですか?
小さい頃から毎週映画館に行っていたというわけではなのですが、学生のときに比較的多く見るようになって、アメリカやヨーロッパ以外の国の作品なども見ることが増えてくると、この国の人たちはこんなことを考えて生活しているんだとか、自分が生きる社会をこんなふうに見つめている監督がいるんだということがすごく面白くて。
――それなら、ビターズ・エンドさんの配給する映画はぴったりですね。
そうかもしれないですね。その頃からビターズ・エンドが配給する映画も好きで見ていました。会社に入ると、監督が来日することも多く、身近でそうした話に触れることも多くて、本当に映画っていろんな世界を見せてくれるのが素晴らしいなと思うようになりました。