- 西澤
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そう、それ以上を見なきゃいけない。
- 池ノ辺
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そうよね、いろいろ見て、選んでの600本だもの!で、それだけの作品数を見た中で、この『スウィート17モンスター』は今年の推しだと。
- 西澤
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推し!推しですけど、なんで推しなのかわからないな(笑)。
でも推しです。
- 池ノ辺
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トロント映画祭で見てすごく感激したわけですよね。
- 西澤
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トロントで何に感激したかというと、満席のお客さんがみんなドッカンドッカン笑って、共感して、映画の最中、ガンガン喋ってるんですよ。
日本じゃありえないですけど。
- 池ノ辺
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共感しちゃって、思わず喋っちゃうんだ。
- 西澤
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そう、「これってさあ」って隣の人と喋ってる(笑)。
いい意味でその雰囲気が居たたまれなくて、僕はこの現象を日本の映画館でも起こしたいと思ったんです。
カルチャーは違えど、見ている人は同じ人間なんだから、日本でもベースの部分で共感してくれるんじゃないかと。
劇場からいいムーヴメントを作りたいんです。
『この世界の片隅に』みたいに。
なかなか、あそこまでの広がりにするのは難しいとは思いますが。
- 池ノ辺
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西澤さんが所属している東京テアトルは独立系ですけど、大手映画会社が運営するシネコンとの戦いもあるわけですよね。
どうやって戦っているんですか?
- 西澤
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シネコンが台頭してきて、劇場はもうこれだけやっていなさいというわけにいかなくなった。うちの劇場は、現場の人に仕事をどんどん振って、現場がいろいろ進行していって、そこから配給さんとやり取りして、宣伝さんとやり取りしてと、経験を積んでもらって次のステップに繋げたいなというのがあります。
- 池ノ辺
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次のステップって、どこに行くんですか?