- 池ノ辺
-
それは見たくなりますよ。
谷島さんはこの後、次のステップに行くわけですよね。
なりたかったプロデューサーになったきっかけは何だったんですか?
- 谷島
-
宣伝で当てちゃうじゃないですか。
そうすると、宣伝をずっとやっていて欲しいと会社から言われるよね。
- 池ノ辺
-
ずっとやっていてくれよと。
- 谷島
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それで製作と宣伝を一緒にやっていくようになるわけです、若かったし。
その1本目になったのが『大停電の夜に』です。
- 池ノ辺
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宣伝とプロデューサーを兼ねていたんですか。
- 谷島
-
一時期ね。
アソシエート・プロデューサーという肩書きを持っていて、企画プロデュースもします、宣伝もしますというような。
両方やる仕事をやっていたんですよ。
- 池ノ辺
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両方できるというのは面白いですもんね。
- 谷島
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そうなんですよ。
原さんもそういう人だったからね。
企画を立てて、撮影が始まると、原さんは“出口”に回り込むんだよね。
撮影から出来上がりつつある映画を日々見ながら、出口を考えるわけ。
いつ公開して、どういうポスターを作って、どういう予告編がいいのかというふうに、観客への送り手として宣伝へ回り込む。
- 池ノ辺
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撮影を探りながら、外に出すことを考える。
- 谷島
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我々の職業って探偵みたいなもので、2つのことを探るんですよ。
撮影中は、この作品がどんなものになっていこうとしているのか、作品の感情を探る。
現場にいるとそれがわかるわけです。
この脚本がこう映像になって、生を受けて行くんだなと。
同時に、みんなが欲しているモノ、時代が求めているもの、そんな観客の感情も探る。
その両輪、映画の欲望と観客の欲求を行き来できなければ、プロデューサーにはなれないと教えられました
それが、原さんが言っていた「宣伝を操れるようになれば、プロデューサーになれる」ということだなと思ったわけですよ。
- 池ノ辺
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では次回は、プロデューサーとしてのお仕事をうかがっていきたいと思います。
(文:モルモット吉田 / 写真:杉本晴)
映画『3月のライオン』
漫画家・羽海野チカの大ヒットコミックを、映画『るろうに剣心』
監督:大友啓史 原作:羽海野チカ(白泉社刊・ヤングアニマル連載中) 脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、
【前編】3月18日(土)大ヒット上映中 【後編】4月22日(土)公開 2部作連続・全国ロードショー 配給:東宝=アスミック・エース 公式サイト:http://3lion-movie.com
PROFILE
■谷島正之(たにしま・まさゆき)
アスミック・エース株式会社 配信企画プロジェクト推進室長、兼コンテンツ事業部・グルーブ長 1967年東京出身。91年にヘラルド・エース、現アスミック・エースに入社。宣伝部に所属し、『海の上のピアニスト』『カルネ』『ザ・リング』『のぼうの城』など、洋画・邦画問わず30本以上の作品を宣伝プロデュース。2007年から製作部に所属し、『きまぐれロボット』(辻川幸一郎/07)、『西の魔女が死んだ』(長崎俊一/08)、アジア圏初のデジタル3D映画『戦慄迷宮3D』(清水崇/09)、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作『鉄男 THE BULLET MAN』(塚本晋也/09)、『ラビット・ホラー3D』(清水崇/10)を製作。共同製作として『さくらん』(蜷川実花/07)『ヘルタースケルター』(蜷川実花/12)。最近では、増田セバスチャン監督による極彩色ミュージカル・ファンタジー『くるみ割り人形』(14)、園子温監督作『リアル鬼ごっこ』(15)、白石和彌監督作『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』(15)を製作。現在、大友啓史監督との7年越しの映画『3月のライオン』の【前編】が公開中。著書に「3D世紀/驚異!立体映画の100年と映像新世紀」(ボーン・デジタル刊/共著)ほか。
谷島正之 共著 「3D世紀/驚異!立体映画の100年と映像新世紀」(ボーン・デジタル刊)
<主な製作作品> 2005年 『大停電の夜に』(05/源孝志監督):アソシエート・プロデューサー / 06年 『デス・ルーム』(06/ジョー・ダンテ、ケン・ラッセル監督他):共同プロデューサー / 07年 『きまぐれロボット』(07/辻川幸一郎監督):企画・プロデュース、『さくらん』(07/蜷川実花監督):アソシエート・プロデューサー / 08年 『西の魔女が死んだ』(08/長崎俊一監督):プロデューサー 、『明日への遺言』(08/小泉堯史):プロデューサー・アシスタント、『グーグーだって猫である』(08/犬童一心監督):共同プロデューサー / 09年 『戦慄迷宮3D』(09/清水崇監督):プロデューサー、『鉄男 THE BULLET MAN』(09/塚本晋也監督):プロデューサー / 10年『ラビット・ホラー3D』(11/清水崇監督):プロデューサー / 11年 『がんばっぺ、フラガール!』(11/小林正樹監督):共同プロデューサー / 12年 『ヘルタースケルター』(12/蜷川実花監督):アソシエート・プロデューサー / 14年 『アラサーちゃん 無修正』(14):企画、『くるみ割り人形』(14/増田セバスチャン監督):プロデューサー / 15年 『リアル鬼ごっこ』(15/園子温監督):プロデューサー 、『リアル鬼ごっこ ライジング』(15/大畑創、内藤瑛亮、朝倉加葉子監督):企画・プロデュース、『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』(15/白石和彌監督):プロデューサー 、『さくらん【4K版】』(07/15)『博士の愛した数式【4K版】』(06/15):4K化プロデューサー / 16年 『ハチミツとクローバー【4K版】』(05-06/16):4K化プロデューサー / 17年 『愛のむきだし【最長版 ザ・テレビショー】』(17/園子温監督):企画・プロデュース 、『3月のライオン』(17年/大友啓史監督):プロデューサー