- 池ノ辺
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谷島さんは将棋できるんですか?
- 谷島
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はい、出来ません。
- 池ノ辺
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やっぱり。盤に駒を並べることもできないだろうと聞いています。
- 谷島
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なんでそんなことまで知ってるんですか(笑)。
でも、『3月のライオン』を企画開発していたこの7年の間に、将棋を覚えようか覚えまいか迷ったんです。
でも将棋を知ると、考え方が偏っちゃうなと思ったんですね。
- 池ノ辺
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なるほど
- 谷島
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将棋を全く知らない、将棋がわからない人でも面白く見られる映画にしなければダメだと思った。
- 池ノ辺
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私も将棋を知らないけど面白かった。
なぜかというと、パシンという将棋駒を置く音とか、駒を持つ指先の綺麗さ、どんどん追い詰められていく中で考えている時の表情の豊かさなんかを見ているのがすごく面白かったんです。
- 谷島
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でしょ。
十人十色の“駒音”が響き、その時の気持ちも反映する、ダイナミックでしょ?で、将棋をわからない人に向けて映画を作らないと、やっぱり客層が狭まっちゃうよね。
僕も将棋に詳しくない方が、池ノ辺さんと同じ目線で作れるでしょ。
- 池ノ辺
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そうですね。
完成披露試写会には、小さい子供達もいっぱい来てましたよね。
あれは将棋を勉強している子供たち?
- 谷島
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映画を作る中でお世話になった方がたくさん来てくれましたね。
神木隆之介の少年時代の子供が出てくるじゃないですか?
その時の将棋を指す音を補ってくれた子供たちもいたし。
- 池ノ辺
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ということは、大人の時と子供の時では将棋を指す音が違うわけですね?
- 谷島
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もちろん違います。一人一人全部違います。
- 池ノ辺
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試写会のときに私の前で谷島さんが、ようと話しかけていた男の子も将棋士?
- 谷島
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ああ、あれは息子ですよ。
- 池ノ辺
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ウソ、息子さんだった?
一度バカ・ザ・バッカのオフィスにも遊びに来てくれたことがあって。
ジャニーズ系の男の子でしたよね?
- 谷島
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ジャニーズ系じゃないでしょ。
逆にユニークな顔です(笑)。
息子は友達と一緒に見に来てたんです。