Jul 06, 2017 interview

映画『銀魂』で追求した“マンガ的リアル”とは?福田雄一監督ロングインタビュー

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“人間・坂田銀時”を描きたかった

 

──まさに“忠実”に描いている一方で、原作にはないテイストも多分に加えられています。原作に忠実でありつつ、違和感なくオリジナル要素を導入するのは大変だったかと。脚色のために、どのような方法を取られたのでしょうか?

原作付きを手掛ける時は、必ず原作を飽きるほど読んでいます。そうしない限り原作という隙がないプロットの中から、僕独自の考えって出てこないなぁと思っていて。よく原作を熟読した時の例えで「100回は読みました」と誇張気味に言う人がいるじゃないですか。ハッキリ言います、俺はリアルに100回以上『銀魂』原作と『紅桜篇』を読みましたから(笑)。まず、大きな一点として、真選組の登場があります。

 

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──あえて、お登勢やキャサリンといった、レギュラーキャラでなく、『紅桜篇』にはほぼ絡まなかった真選組を登場させた理由は?

最初から真選組は絡ませたくて。好きなキャラたちですし、画面に登場するだけで華やかになる。アニメ映画版(『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』)の最後の最後に登場して(沖田)総悟が「もう、終わっちまいましたねぇ」と言うだけで終わらすのは個人的にはもったいないなぁと思っていたので。ただ、あれだけの濃さを持ったキャラたちをムリなくストーリーに混在させのにはどうすればいいか?と、相当悩みました。そうしたら、ある時フッと近藤勲(中村勘九郎)とお妙(長澤まさみ)が絡めばもしや!?と思いつきまして。そこで、近藤がストーキングすることで、物語の流れを掴むというやり方で真選組を介入できました。もう僕の中で最高に腑に落ちた瞬間でしたね!(笑)。

 

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──近藤の登場場面は、まさに見事としか言えないタイミングでした。

この方法を思いついた時は、そりゃあメチャクチャ気持ち良かった(笑)。そうか!ここで近藤さんが話を盗み聞きすればいいんだ!これがちゃんと画になった時は、思わず現場で「やったぜ」とガッツポーズ繰り出しました(笑)。真選組の絡み、近藤さん登場の場面は、バカみたいに読んでいたからこそ浮かび、原作の展開も破綻させることなくスッと作れたと思うんです。

 

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──そしてもう一つ、この映画のオリジナルとして、銀時がカラクリ技師・源外(ムロツヨシ)の工房に向かう場面がありますが、あの場面は?

原作ならケガの後、真っ先に敵の本拠地に向かうのですが、どうもこの銀ちゃんはカッコよすぎる!と思ってしまって。致命傷を負った次の日に、岡田似蔵(新井浩文)と妖刀・紅桜という超強敵と戦わなければいけない。たとえ「白夜叉」と呼ばれた男でも、死を悟ると少なからず及び腰になるはずだよなぁと。そんな時、近所に超強い武器を作れる人が間近にいたら、普通なら絶対に頼っちゃうじゃないですか。そうした情けなくも笑える場面を描くことで、より銀ちゃんが人間味溢れたキャラクターになるんじゃないかなと思い浮かんで。脚本を書き始めた段階で、源外のシーンは入れようと考えていました。“人間・坂田銀時”がシッカリと描けたつもりです。

 

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──映画化にあたり、銀時たちは実際に江戸の街に住んでいる“生きた人間”であるという実在感を与えたかったんですね。

はい。原作で語り得なかったことを言わせ行動させることで、より登場人物のキャラクター・人間性を深めたくて。侍映画なら傷を負ってでも、そのまま乗り込むべき。でも、そうさせなかった。マンガでは表現しきれない、生っぽい視点や描き方は、きっと空知さんが、映画化するにあたって僕に託してくれたことなんじゃないかな? 勝手ながらそう考えていますし、そうであってほしいと思っています。

 

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