Dec 31, 2017 interview

その渋い声で声優、ナレーションとして大活躍中の銀河万丈は、実は“三枚目”だった?

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謎その5:銀河万丈はこれからどこを目指すのか?

 

平野

これまでやったことがない役柄でこれからやってみたいものはある?

銀河

ヨボヨボのおじいさんをやってみたいですね。せっかくここまで歳を取ってきたんだから、やらせてくれてもいいと思うんですよ。なのに、ちょっと老けた感じの演技をするとすぐにダメ出しされるんです。「そこまで老けないでください」って(笑)。

古川

まだ、おじいさんをやるには美声過ぎるんですよ。でも、いいよね、老人キャラ。僕もやりたい。

銀河

あ、でも、かつてWOWOWで『刑事コロンボ』の吹き替えをやらせてもらった時(2004年放送『虚飾のオープニング・ナイト』など)は、主役のピーター・フォークがもうおじいちゃんだったものだから、音響監督さんに「今回は、“老け”を意識してね」って言われて妙に緊張しました(笑)。あれについては、もっと若いコロンボをやりたかったな。

平野

銀河さんと言えば、洋画吹き替えでもご活躍ですもんね。ちなみに、銀河さんは、アニメと洋画、どっちの吹き替えがお好きですか?

銀河

(しばらく悩んで)……洋画かな。

平野

それはまたどうして?

銀河

洋画って、スクリーンの向こうに実際の俳優がいるじゃないですか。私と俳優さん、全く異なる2人が、1つの役を通じてシンクロしていく瞬間がたまらないんですよね。

古川

わかる!

銀河

それはね、キャラに入り込んでなりきるっていうのとはまたちょっと違うんですよ。こちらはすごく冷静に当てているんですけど、ブレスがぴったり当たって、セリフの出鼻がきれいにそろったりする瞬間があるんです。洋画吹き替えにはそういう快感がありますね。

平野

では、そろそろ紙幅も尽きてきましたので、最後に、最近の活動について。もうかなり以前から「朗読会」をなさってらして、それを今でも続けられているそうですが。どういったことをやっていらっしゃるんですか?

銀河

「言-ごんべん-」という名称で、もう10年以上続けさせていただいていますね。月に1回のペースで、今月が183回目だったかな(2017年12月時点)。休憩を挟んで前半は軽めの現代ものをいくつか。東海林さだおさんのエッセイは毎回欠かせません。後半は和装で、宮部みゆきさんや、浅田次郎さん、藤沢周平さんあたりの時代ものを朗読するという構成でずっと続けています。

古川

183回!

銀河

参加人数20~30程度の、身の丈にあったささやかな集まりですから。

平野

どうしてそういった催しを始めようと思われたんですか?

銀河

普通に私が朗読をして、それを聞いた方が面白かったから次も行こうかと思ってもらえるようなものを、どこまで続けられるかなと。

古川

会の様子を聞いていると、商業目的のファンイベントという感じじゃないよね。むしろ、その対極にあるというか……。

銀河

そうですね。いまでも新しい発見があったりしますよ。もうやめどきも分からなくなってきていますから(笑)、もう少し続けていきたいですね。あ、ついでにお知らせ良いですか?毎月第3日曜日の13時からと16時からの2回です。
来年は1月21日、2月18日、3月18日、4月15日、5月20日、6月17日、7月15日、8月19日、9月16日、10月21日、11月18日、12月16日となっております。
場所は渋谷区富ヶ谷1-43-2「さくらんぼ」で。お茶がついて千円です。
お申し込みは[email protected]でございます。

 

構成・文 / 山下達也
撮影 / 根田拓也

 

プロフィール

 

銀河万丈(ぎんが ばんじょう)

11月12日山梨県生まれ。「北斗の拳」(サウザー)や「機動戦士ガンダム」(ギレン・ザビ)、ナレーション「開運!!なんでも鑑定団」「クレイジージャーニー」「プレバト!!」 など幅広いジャンルで活躍。趣味は和装、サルサダンス、日本画、乗馬、謡曲。

 

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古川登志夫(ふるかわとしお)

7月16日生まれ、栃木県出身。青二プロダクション所属。1970年代から活躍を続け、クールな二枚目から三枚目まで幅広い役を演じこなす。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「機動戦士ガンダム」(カイ・シデン役 1979~80年 テレビ朝日)、映画・TVシリーズ「うる星やつら」(諸星あたる役 1981~86年 フジテレビ)、映画・TV「ドラゴンボール」シリーズ(ピッコロ役 1986~ フジテレビ)、映画・OVA・TVシリーズ「機動警察パトレイバー」(篠原遊馬役 1989~90年 日本テレビ)、映画・TV「ONE PIECE」(ポートガス・D・エース役 1999年~)など多数ある。

 

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平野文(ひらのふみ)

1955年東京生まれ。子役から深夜放送『走れ!歌謡曲』のDJを経て、’82年テレビアニメ『うる星やつら』のラム役で声優デビュー。アニメや洋画の吹き替え、テレビ『平成教育委員会』の出題ナレーションやリポーター、ドキュメンタリー番組のナレーション等幅広く活躍。’89年築地魚河岸三代目の小川貢一と見合い結婚。著書『お見合い相手は魚河岸のプリンス』はドラマ『魚河岸のプリンセス』(NHK)の原作にも。