レジェンド声優インタビュー
銀河万丈[脱・悪役?編]
arranged by レジェンド声優プロジェクト
アニメ黄金期の立役者である「レジェンド声優」と、自らもレジェンドである声優・古川登志夫さん、平野文さんによる濃密トークをお送りするレジェンド声優インタビュー。2017年最後の更新は、『機動戦士ガンダム』のギレン総帥、『北斗の拳』の聖帝サウザーなど、数多くの作品で魅力的な悪役・仇役を演じてきた名優・銀河万丈さんが登場! これまで多くを語ってこなかった銀河さんの、数々の“謎”に迫ります。
謎その3:ギレンのモデルは銀河万丈なのか?
- 平野文:
(以下、平野) -
若き日の銀河さんにとって、「悪役」は、声優としてやっていくための橋頭堡のようなものだったということですが、具体的にはどんな「悪役」が記憶に残っていますか? 私たちのイメージではやっぱり『機動戦士ガンダム』(1979年)のギレン・ザビ役が印象に残っているのですが。
- 古川登志夫:
(以下、古川) -
この記事を読んでいる皆さんにも同意していただけると思うんだけど、銀河さんってギレン・ザビにそっくりなんですよ(笑)。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』の舞台挨拶で、キャラクターデザインも担当した安彦良和総監督も「初めて会ったときギレンだと思いました」って言ってました。つまりモデルではないってことなんですが、偶然にしては似すぎ!
- 平野:
-
皆さんそう思っていらっしゃるんでしょうね。2009年のガンダムEXPOのステージイベント『ザビ家の肖像 ―ジーク・ジオン―』では、ギレンになりきって生演説を披露されました。
- 銀河万丈:
(以下、銀河) -
ああ~~、やりましたね(笑)。私、イベントって苦手なので、恥ずかしかったです。
- 古川:
-
僕は大好き。またやりたいね!
- 平野:
-
やっぱりギレンは当初から人気のある役だったんですか?
- 銀河:
-
そうですね。人気というのとは違うと思いますよ。でも実際には作中で、数える程の話数しか出てないんですよ。だから、後年こんなことになるとは思ってもいませんでした。ゲームになることなんか、想定外でしたから。
- 平野:
-
当時のガンダムの収録現場はどんな雰囲気でしたか?
- 銀河:
-
あの頃、あのアニメに関わっていた人たちって、古川さんのほか、池田秀一さん(シャア・アズナブル役)とか、みんな同じくらいの世代で、しかも役者として、それぞれが「壁」にぶつかっていたようなところがあって、みんなもがいている……それが醸し出す熱さのようなものがありましたね。その中でヘタなことはできないぞという緊張感がどこか心地よくもありました。
- 平野:
-
ギレンは、まさに今、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも演じていらっしゃいますよね。また、ゲームなどでも定期的に演じていらっしゃいますが、演じる時はやはりその当時を思い出しながら?
- 銀河:
-
はい。ただ、やっぱり当時と今とでは違いますよね。正直、あの頃の方が力は入っていたかも知れません。良いか悪いかはともかくとして。
- 古川:
-
しかも『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ファースト時代よりも、いくらか若くやってるんだよね。僕も同じようにカイ・シデン役をやっているから分かるんですけど、あれは大変なの。
- 銀河:
-
ちょっと自分で演じていても気持ち悪いところがありますからね(笑)。
- 平野:
-
若き日のギレンを演じるにあたって工夫されたことはありますか?