- 平野:
-
その素晴らしい美声を維持するために、心がけていることはありますか?
- 銀河:
-
それがもう何にもやってないんですよ。やらないといけないなと思うんだけど、何にもやってない。本当にダメ人間でして……。時間ができたら飲むことしか考えていなかった(笑)。
- 古川:
-
やっぱり持っている人は違うなあ(笑)。
- 銀河:
-
いやいやいや……勘弁してください(笑)。それに、仮におっしゃる通りだとしても、これは誤解と恐れずに申しますと私としてはそれはハンディキャップだと考えています。だってどんなに「いい声」だと言われたとしても、それは「いい芝居」ではないですよね。また、仮に「いい芝居」をしていても、「いい声」がそれを上回ってしまったら、芝居には注目してもらえない。「いい声」と言われる人が芝居で評価してもらおうと思ったら、倍以上、上手くならないといけないんです。
何かを特に注目される場合、そのことを常に意識しておくべきだと思いますね。実際に現場で強いのは、むしろいろんなことに恵まれていない人だったりしますね。コンプレックスを感じている人、足が長くて美形のダンサーではなくて、身体の小さなダンサーがトップダンサーだったりして。得てしてそういうものなんじゃないでしょうか。
構成・文 / 山下達也
撮影 / 根田拓也
銀河万丈(ぎんが ばんじょう)
11月12日山梨県生まれ。「北斗の拳」(サウザー)や「機動戦士ガンダム」(ギレン・ザビ)、ナレーション「開運!!なんでも鑑定団」「クレイジージャーニー」「プレバト!!」 など幅広いジャンルで活躍。趣味は和装、サルサダンス、日本画、乗馬、謡曲。
古川登志夫(ふるかわとしお)
7月16日生まれ、栃木県出身。青二プロダクション所属。1970年代から活躍を続け、クールな二枚目から三枚目まで幅広い役を演じこなす。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「機動戦士ガンダム」(カイ・シデン役 1979~80年 テレビ朝日)、映画・TVシリーズ「うる星やつら」(諸星あたる役 1981~86年 フジテレビ)、映画・TV「ドラゴンボール」シリーズ(ピッコロ役 1986~ フジテレビ)、映画・OVA・TVシリーズ「機動警察パトレイバー」(篠原遊馬役 1989~90年 日本テレビ)、映画・TV「ONE PIECE」(ポートガス・D・エース役 1999年~)など多数ある。
平野文(ひらのふみ)
1955年東京生まれ。子役から深夜放送『走れ!歌謡曲』のDJを経て、’82年テレビアニメ『うる星やつら』のラム役で声優デビュー。アニメや洋画の吹き替え、テレビ『平成教育委員会』の出題ナレーションやリポーター、ドキュメンタリー番組のナレーション等幅広く活躍。’89年築地魚河岸三代目の小川貢一と見合い結婚。著書『お見合い相手は魚河岸のプリンス』はドラマ『魚河岸のプリンセス』(NHK)の原作にも。