Jul 04, 2019 interview

「最後に父にリボンを結んでもらったような気がする」―蜷川実花が語る『Diner ダイナー』舞台裏

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子ども時代の遊び場は父の書斎

――蜷川監督のルーツになった作品や影響を受けた作品を聞かせてください。

そうですね…、やっぱり藤原新也さんの『メメント・モリ』かな。確か、中学1年生くらいの頃に、父からプレゼントされたんです。

――「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」という一節で知られるフォトエッセイですね。

そうです。中学に入って間もない頃だったので、藤原新也さんの言葉はかなり衝撃的でした。『メメント・モリ』を読んでから、インドに興味を持つようになり、「必ずインドへ旅行するんだ」と思うようになったんです。念願叶って、20代でインド旅行をすることができました。私の息子がそろそろ同じ年齢になるので、息子にも『メメント・モリ』をプレゼントしようかなと考えています。

――『Diner ダイナー』の劇中では横尾忠則さんのアートが使われていましたが、これも蜷川幸雄さんからの影響だそうですね。

父からはいろんなものをプレゼントされましたし、父の書斎が子どもの頃の私の遊び場だったんです。いろんな本や図版が山のようにありました。なので、父から直接影響を受けたというよりは、父の書斎から多くのことを学んだような気がしています。父が亡くなってから、父の書斎は手つかずのままです。きっと、今から読んでも刺激を受けるような本がいっぱいあるでしょうね。当分は忙しくて手を出せそうにありませんが、いつか父が遺した蔵書とじっくりと向き合いたいですね。

――小栗旬主演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』に加え、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020年配信予定)も控え、忙しい日々が続きそうですね。

忙しいのが好きなんです。回転している時のほうが調子がいい。中途半端にのんびりしていると鈍ってしまうんで、常に走るようにしているんです(笑)。

取材・文/長野辰次
撮影/名児耶 洋

プロフィール
蜷川実花(にながわ・みか)

東京都生まれ。多摩美術大学美術学部グラフィック学科卒業。2001年、第26回木村伊兵衛写真賞を受賞し、新世代の写真家として注目される。安野モヨコ原作コミックの映画化『さくらん』(07年)、岡崎京子原作コミックの映画化『ヘルタースケルター』(12年)の映画監督を務め、両作ともヒットさせている。今後の待機作に、小栗旬主演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』(9月13日公開)、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020年配信予定)がある。

公開情報
『Diner ダイナー』

命がゴミのように扱われる殺し屋専用のダイナー<食堂>。店主は元殺し屋で天才シェフのボンベロ(藤原竜也)。日給30万の怪しいアルバイトに手を出したオオバカナコ(玉城ティナ)は、ウェイトレスとしてダイナーに売られてしまう。次々と店にやってくる殺し屋たち。オーダーは極上の料理か、殺し合いか…。店主、ウェイトレス、殺し屋たち。新たな殺し合いが始まる――。
原作:平山夢明『ダイナー』(ポプラ社「ポプラ文庫」)
監督・脚本:蜷川実花
脚本:後藤ひろひと、杉山嘉一
出演:藤原竜也、玉城ティナ 窪田正孝、本郷奏多 / 武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ 小栗旬 / 土屋アンナ / 真矢ミキ / 奥田瑛二
音楽:大沢伸一
主題歌:DAOKO×MIYAVI『千客万来』(ユニバーサル ミュージック)
配給:ワーナー・ブラザース映画
2019年7月5日(金)公開
© 2019 蜷川実花/映画「Diner ダイナー」製作委員会
公式サイト:diner-movie.jp

書籍情報
『ダイナー』平山夢明/ポプラ文庫

小説家・平山夢明が2009年に発表し、大藪春彦賞と日本冒険小説協会大賞をダブル受賞した長編ノワール小説。『週刊ヤングジャンプ』と『となりのヤングジャンプ』で漫画化され、ポプラ社の「WEB asta(ウェブアスタ)」では続編『ダイナーⅡ』が連載された。

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