Jul 26, 2019 interview

演技初体験のchay『ダンスウィズミー』の役柄との共通点

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『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』など、音楽×映画の名作を手がけてきた矢口史靖監督。8月16日(金)公開の待望の新作『ダンスウィズミー』は、催眠術にかかって音楽を耳にすると勝手に体が踊りだしてしまうヒロインの受難を描いた抱腹絶倒のコメディ・ミュージカル映画。その中で、一際異彩を放つ印象的な役柄を演じているのが、シンガー・ソングライターのchayだ。今回は映画公開に合わせた動画企画で“流し”を体験したchayに、映画と動画撮影を振り返ってもらった。

映画初体験だけど自然に演じられた

――今回の『ダンスウィズミー』への出演はどういう経緯で決まったのでしょうか。

出演者の方は、主役も含めてみなさんオーディションです。他の方がある程度決まった段階で、山本洋子という役柄がまだ決まっていなかったらしく、声をかけていただいてオーディションを受けました。たまたまそれまでのオーディションの課題曲が、私の「あなたに恋をしてみました」という曲だったこともあったので、「chayにも声かけてみようか」っていう話になったようです。

――それまで、演技やオーディションの経験は?

演技はまったくの初体験!そもそも演技をするということにはご縁がなかったので、実際に経験もまったくのゼロでした。オーディションで初めて矢口監督にお会いした時も、開口一番に「演技はできないですけれど、歌だけは歌えます」ということをお伝えしました。そして、監督の目の前でいギターの弾き語りで2曲歌わせていただきました。

――でも、見事に合格されました。

そうですね。自分では受かるとは思っていなかったのでびっくりしました!

――chayさんが演じた山本洋子という役柄は、ストリートミュージシャンとして登場しますが、その部分はご自身と少しイメージがかぶりますね。

実際、私自身もデビュー前にひとりで路上ライヴをやっていたことがありました。まさに映画のようにギターのケースを前に置いたりして。だから、演じるというよりは「懐かしいなあ」っていう気持ちもあって、その頃を思い出しながら撮影しました。

――劇中では「年下の男の子」や「ウエディング・ベル」など、広く知られているヒット曲を歌っていますね。

どれも私が生まれる前の曲ばかりですが、両親が聴いていた曲でもあるので、もちろんよく知っていました。そういった楽曲を、自分が映画に出演して歌うということは、とても感慨深いです。両親もとても喜んでくれました。老若男女問わず楽しめますし、矢口監督の選曲センスはさすがだなと思いました。

――役作りで苦労された点はありますか。

演技することは初めてだったのですが、自然で素直に演じることが出来ました。矢口監督は、それぞれの役柄に対し、生い立ちなどの詳しいプロフィールを用意してくださるんです。全然映画に関係ないところまできっちり細かく書いてあるのですが、偶然にも共通点がたくさんあって、共感する部分が多かったです。だから、演じることをそれほど意識しなかったですし、矢口監督からも「肩肘張らずに演じていいよ」といっていただいたので、すごくやりやすかったです。

――でも、結婚式のシーンは迫真の演技で驚きました。

確かに叫ぶシーンだけは、今まで経験したことがなかったので難しかったです。すぐにできるものでもないし、羞恥心とも戦わなきゃいけないですから。それでその時は、監督に「叫びレッスン」をしていただきました。スタッフ5、6人で円になって「暑いんだよー!」とか「冷やし中華食いてー!」とか他愛もないことを順番に叫んでいって、最後に私が台詞を叫ぶっていう練習なんですけれど、それをやったらずいぶん叫べるようになりました。

――叫んだ後のchayさんの変貌ぶりも、すごくインパクトがありました。

あそこまで暴れることっていうのはまずないので、とにかく楽しかったです。やるからには中途半端ではなくやりきりたいっていう思いがあったので、ずっとちょっとしたイライラなどすべてのストレスを敢えて溜め込んで、撮影の日に一気に爆発させました(笑)。