「『抜かされた?』って思う瞬間って、誰もがあると思うんです」
──クルーズは、レーサーに憧れていたけど、一歩踏み込めずに挫折してしまったという設定でした。松岡さんにもそのような経験は?
初対面の人に話しかけることがすごく苦手だったんですけど、「人見知り」って、周りが気付いていうことであって、自分から免罪符みたいに持っているものじゃないなって思ったんです。高校生のときにそれに気付いて、もう人見知りはやめようと思ったのは、自分自身としてはちょっと踏み込んだなって思います。
──昔は人見知りするタイプだったんですね。
いろいろ気にするほうでがあるかもしれないです。願掛けとかもすごくする方ですし、勝手に気になっちゃうんですよね。今日はこのキャミソールを着ていかなかったらダメな気がするって思ったら、ぜんぶ支度が終わってても脱いで着替え直したりとか。あと、今日は頭から洗わないといけない気がするって思ったら、そうしないと気がすまないので頭から洗ったりとか。なにか急に「いいの?」みたいな声が聞こえる気がして、「そうだよね。ダメだよね」って(笑)。
──今作で、松岡さんにとって一番印象的だったシーンを教えてください。
ストームがマックィーンをグン!っと抜いてしまうところは、すごく衝撃的だったし、目からこびりついて離れないシーンですね。やっぱり、仕事をしている上でも、プライベートで過ごしているときでも「あれ?抜かされた?」って思う瞬間って人間なら誰しもあると思うんですよね。その瞬間を映像で見たというのが、私のなかでは衝撃的でした。
──松岡さんの中で、最近「抜かされた」と感じたことはありますか?
この前、コンビニでレジ待ちの順番を抜かされましたね。「あ!」って思いました(笑)
──『カーズ/クロスロード』は、どういう方々に観ていただきたいですか。
『カーズ』ファンの方には確実に観ていただきたいなと思うんですけど、いままでシリーズを観たことがない人でも、きっと何かを感じ取れる作品だと思います。私なんかには、まだわからないようないろいろなメッセージが込められていると思うので、私もまた誰かと出会ったときに観たいし、もっと大人になって、大切な後輩がたくさん出来たときにまた観てみたいと思いますね。それぐらい、いろんな立場で状況で感想が変わる作品だと思います。親子で観ていただてもいいですし、それこそ仕事仲間とか、いろんなパートナーの方と一緒に観ていただけると、より深く感動できると思います。
取材・文/灸怜太
撮影/吉井明
松岡茉優
1995年、東京都生まれ。2008年テレビ東京「おはスタ」でおはガールとして本格デビュー。2012年に映画『桐島、部活やめるってよ』、2013年NHK連続テレビ小説『あまちゃん』などで注目される。2016年は「真田丸」でNHK大河ドラマ初出演の他、映画『猫なんかよんでもこない。』、『ちはやふる』では、第8回TAMA映画賞で最優秀新進女優賞、第40回山路ふみ子映画賞で新人女優賞を受賞。初主演映画『勝手にふるえてろ』の公開も控えている。
映画『カーズ/クロスロード』
ディズニー/ピクサーが誇る大ヒットシリーズ『カーズ』。擬人化したクルマたちが繰り広げるドラマと大迫力のレースアクションは、子供たちだけでなくオトナの観客も魅了してきた。6年ぶりのシリーズ復活となった『カーズ/クロスロード』は、原点に立ち返りつつ、さらにドラマ性を深めた感動巨編に仕上がった。CGアニメによる表現力は格段に進化しており、特にスピード感あふれるレース描写は実写を超えた大迫力。キャラクターたちのモーションも、よりきめ細やかに仕上がっており、特に虹彩まで描きこまれた目の動きは感情が宿っているかのようで、目が離せない。観る人によって、クライマックスの展開も様々に感じ取れるはず。鑑賞後、マックィーンをはじめとする各キャラクターたちにとって、どこか人生の岐路(クロスロード)だったのかを、ぜひ語りあっていただきたい。
映画『カーズ/クロスロード』
監督:ブライアン・フィー
製作総指揮:ジョン・ラセター
キャスト:オーウェン・ウィルソン クリステラ・アロンツォ アーミー・ハマー ネイサン・フィリオン クリス・クーパー ケリー・ワシントン リー・デラリア
日本版キャスト:土田大 松岡茉優 藤森慎吾 戸田恵子 パンツェッタ・ジローラモ 赤坂泰彦 福澤朗 山口智充
音楽:ランディ・ニューマン
日本版エンドソング:「エンジン」奥田民生(ラーメンカレーミュージックレコード)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2017年7月15日(土)全国公開
(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.disney.co.jp/movie/cars-crossroad.html