Sep 19, 2020 interview

豊川悦司と國村隼が語る、映画『ミッドウェイ』撮影裏話

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――國村さんが面白かったシーンはどこですか?

國村:面白かったというよりは大変なシーンが多かったです(笑)それこそ、現地には色々な人が居るんで、たまたまかもしれないけれど、私と一緒に居る人たちが結構大変で色々なことがありました(笑)CGじゃなかった部分で、私の真横で大きな水柱が上がる機材を用意しての演出があった時にはその威力にビックリしました。さすがのエメリッヒ監督もテンションが上がっていて緊張感がありました。“このショットはこんな感じで”って結果的には1テイクで撮れたんですけど、期せずしてスタジオ全体から拍手が起きました。

いつもハリウッドで撮影しているスタッフなのに、その彼らから拍手が起こって“なかなか、これはたいそうな仕掛けだったんだろうな“ってずぶ濡れになりながら思いました。

―― 日本のみならず、海外でもお仕事をされているベテランのお二人にお聞きしたいのですが、「役者」を一言で例えるならなんでしょうか?

國村:時に依り代でありイタコ、かな。同じ人間が作品が変わるたびにその中身は前とは変わっている。どんなお話でどんなキャラクターをやるかによって変わるけれど、その入れ物は同じ、自分自身。つまりは役者である自分自身は入れ物にすぎないから、でしょう。

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―― 入れ物である為に、毎回、心がけていることはあるのでしょうか?

國村:ちゃんとイメージ通りに動けるか、動けなくなったら駄目。《演じる者》に関していえば、依り代にその役がふと降りてくることがある。その生身の器の中に、そのお話の人が居たらその時そのお話の住人になる。そんなもんかもしれない。

豊川:役者とは嘘をつくことを許されている人。

國村:そうだね、一歩間違えたら詐欺師(笑)

豊川:言い方を変えると夢を売っているとも言えるんだけど、嘘をつくことが許されている。嘘をつくことが許される仕事って中々ないじゃないですか、合法的で(笑)役者ぐらいでしょ、“騙して欲しい”って言われるの。

國村:そうだね。“気持ちよく騙して、上手に騙して”ってお客さんに思われるようにね。

―― 確かに、観ている方はそこを喜んでいます。

國村:歌舞伎における黒子の存在は芝居における典型的な約束事であり居るけど居ない、見えるけど見えない、ことになっている。“こいつはそんな奴じゃない、何とかっていう役者だ”って知っているんだけど、そんなことは黒子の存在と同じようにその人物の《存在》を共有して楽しみ、見てもらえるんですから。

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豊川悦司さんはラッセル・クロウと共演した『逃走遊戯 NO WAY BACK』以来のハリウッド映画であり自身の中では一番の大作出演だったと語っています。國村隼さんはリドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』やクエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル Vol.1』など様々な海外作品に出演しています。お二人が舞台挨拶の時に語った「映画から世界を学び、映画から世界と繋がった」という言葉。『ミッドウェイ』は特に世界の歴史であり、日本の歴史でもある第二次世界大戦を描いた作品だからこそ、資料を読んだり、今まで作られた太平洋戦争の映画を見たり、実在した人物を出来る限り理解し尽くして役を背負って世界に立ったのでした。世の中に残していかなければいけない歴史の悲劇。この映画は、迫力の映像はもちろん、日米の軍人たちの思いをしっかりスクリーンに焼き付けた“心の戦い”を綴っているんだとインタビューを終え実感したのでした。

文 ・伊藤さとり

作品情報
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『ミッドウェイ』

未曾有の戦いとなった第二次世界大戦の中でも、歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦。激突したのは、日本とアメリカ。1942年、北太平洋のハワイ諸島北西のミッドウェイ島に、巨大な航空母艦、世界最大の大和を含む超弩級の戦艦、戦闘機、急降下爆撃機、潜水艦が出動し、空中、海上、海中、そのすべてが戦場となった。そしてそこには、両軍ともに、国を愛し、覚悟を持って戦った男たちがいた─司令官たちの緊迫した頭脳戦、パイロットたちの壮絶な空中戦、彼らを艦上から迎え撃つ決死の海上戦──何が、彼らの勝敗を分けたのか?日本の運命を決めた3日間の海戦の全貌が、今明かされる!
監督: ローランド・エメリッヒ
出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ルーク・エヴァンス、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、マンディ・ムーア、デニス・クエイド、ウディ・ハレルソン
配給: キノフィルムズ/木下グループ
©2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

公開中

公式サイト:https://midway-movie.jp/

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伊藤 さとり

映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。ハリウッドスターから日本の演技派俳優まで、記者会見や舞台挨拶MCも担当。 全国のTSUTAYA店内で流れるwave−C3「シネマmag」DJであり、自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。また映画界、スターに詳しいこと、映画を心理的に定評があり、NTV「ZIP!」映画紹介枠、CX「めざまし土曜日」映画紹介枠 に解説で呼ばれることも多々。TOKYO-FM、JFN、TBSラジオの映画コーナー、映画番組特番DJ。雑誌「ブルータス」「Pen」「anan」「AERA」にて映画寄稿日刊スポーツ映画大賞審査員、日本映画プロフェッショナル大賞審査員。心理カウンセリングも学んだことから「ぴあ」などで恋愛心理分析や映画心理テストも作成。著書「2分で距離を知事メル魔法の話術」(ワニブックス)。
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net

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