Jan 04, 2019 column

2019年の洋画は日本発カルチャー、名作の実写化&復活がブーム? 2018年総括~今年の洋画展望を解説!

A A
SHARE

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年5月31日公開) © 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

思いどおりのヒットを記録したアクション大作シリーズから、意外な社会現象を起こした作品、拡大公開に発展したミニシアター系まで2018年も多くの洋画が話題になった。一年の洋画界の動向をまとめつつ、2019年に目を向けて、どんな洋画が大ヒットするのか、そして注目すべきポイントがどこにあるのかを予想していこう。

SNSによる意外なヒットも多かった! 2018年の洋画を総まとめ

2018年の洋画は、期待されていた作品が“ある程度”のヒットを記録しつつ、サプライズの大ヒットを生んだと言っていいだろう。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の興行収入75億円、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の同80億円は、それぞれシリーズ前作におよばなかったものの、数字的には想定内。『リメンバー・ミー』(49億円)、『インクレディブル・ファミリー』(48億円)と、ディズニー/ピクサー作品も相変わらず安定した興収を残した。一方で『スター・ウォーズ』のアナザーストーリーである『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、本シリーズとの公開インターバルが短かったせいか、思った成績を残せなかった(20億円)。逆に、『アベンジャーズ』の新作だけでなく、スパイダーマンの敵役キャラを主人公にした『ヴェノム』も20億円を超えるなど、マーベル作品が一般的に浸透してきたのも2018年の特徴だった。

『ボヘミアン・ラプソディ』(公開中) © 2018 Twentieth Century Fox

しかし、社会現象となった洋画といえば『ボヘミアン・ラプソディ』だろう。現在、約70億円でまだしばらく上映が続きそうなので、洋画の年間トップも射程に入っている(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は2019年の集計分となる)。同じように予想を超えるヒットとなったのが『グレイテスト・ショーマン』(51億円)だ。前者はクイーンの曲をフィーチャーし、後者はミュージカルと、ともに“音楽映画”としてライヴのように興奮、感動できるということで映画館に足を運んだ人が多い。必然的に「何度も観たい」とリピーターを増やす好循環も生まれた。

『プーと大人になった僕』(Blu-ray+DVD 発売中) © 2018 Disney

『ボヘミアン・ラプソディ』でも顕著だったSNSでの口コミも、例年以上にヒットの要因となり、『プーと大人になった僕』(24億円)は、ディズニーのキャラクターの映画ながら、中年男性にアピール。『レディ・プレイヤー1』(25億円)も劇中の細かいネタを発見し、共有する楽しみ方がSNS時代らしい。

『レディ・プレイヤー1』(ブルーレイ&DVD 発売中) © 2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

その他、『MEG ザ・モンスター』、『クワイエット・プレイス』、『search/サーチ』などが、シンプルに作品の面白さがSNSで広まって予想以上の数字に到達。そして『カメラを止めるな!』のように、口コミでミニシアター系が拡大公開となったのが、タイ映画の『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で、公開時は1館のみだったが満席が続き、1ヶ月後に100館以上の上映という異例の興行が実現した。その他にもレバノン映画の『判決、ふたつの希望』や、男性同士の純愛を描いた『君の名前で僕を呼んで』など、ミニシアター系のヒット作の多くで、作品への評価とSNSがストレートに効果を発揮したと言えそうだ。

『君の名前で僕を呼んで』(Blu-ray・DVD 発売中) ©Frenesy , La Cinefacture