Oct 15, 2020 column

17:時代は回りピンチもチャンスも何度もやってくる、常に備えをしておく事の大切さ

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業界のプロフェッショナルに、様々な視点でエンターテインメント分野の話を語っていただく本企画。日本のゲーム・エンターテインメント黎明期から活躍し現在も最前線で業務に携わる、エンタメ・ストラテジストの内海州史が、ゲーム業界を中心とする、デジタル・エンターテインメント業界の歴史や業界最新トレンドの話を語ります。

16  独立後に変化した仕事への向き合い方と考え方」はこちら

どんな企業にも、等しくピンチやチャンスが訪れますが、大きい規模の会社にいるとそのインパクトがあまり感じられません。大きな船に乗っていると、揺れは感じますが、沈むことのない安心感があります。

こんなに働いているのに給料が増えないとか、上司は自分のことをわかってもらえないなど不満はあるでしょうがその程度の話です。ところが、フリーランスや自分の会社となるとそのインパクトは直接やってきます。現在、コロナウイルスという前代未聞のピンチがやってきていますが、100年に一度と言われているこの波は、今後しょっちゅうやってくると思っておいたほうが良いでしょう。

私もキューエンタテインメントを経営しているとき前代未聞の社会的な大事件がいくつも起きて、会社の経営に大きな影響がありました。資金を調達した時には、ベンチャーにとって10年に一度の追い風のタイミングで、その追い風を利用して大きな資金を調達します。

ただ、向かい風もありました。一つは100年に一度の東日本大震災です。地震のあと社会全体に自粛の嵐が吹き荒れ、エンターテインメントにとっては厳しい時代となりました。人が苦しんでいるときに、遊びを提供する仕事をしていていいのかという社会的圧力や、自粛を求める圧力が会社や自分の良心を襲います。

不幸中の幸いで、この時期思ったよりオンラインゲームの売り上げが落ちませんでした。現在のコロナウイルスの自粛状況と似ているのですが、外に出ないで自粛をすることを世の中が要求すると、みんな外で遊ぶより、家でネットを通じて気分転換を求めるニーズが上がり、家で遊べるゲーム事業は影響を受けないか、場合によってはプラスになるということです。世間では自粛といいますが、実は人々は暗い気持ちから逃れる楽しみを求めているということに気づきます。