Aug 20, 2020 column

09: グローバル視点でみるエンタメ業界の5つのビッグトレンド(1)

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第二の波:ユーザーの変容

私は今までのマーケティングの公式がまるで当てはまらない行動様式をとる“ジェネレーションZ”とも“ミレニアム世代”とも呼ばれる、ソーシャルネイティブ世代の影響力に注目しています。この世代が市場のメインとなってきているので、ビジネスのやり方を彼らに合わせていかなければいけないのです。

彼らは、マスメディアを信じず自分の欲する情報を、まわりの友人やインフルエンサーから仕入れます。故に情報の処理が早く、伝播力も桁違いに早いのです。約10年前に海外のインディー系のゲーム会社が作った『マインクラフト』というPC向けから始まったゲーム作品があるのですが、この世代の行動にピタリとはまりました。私は、この作品が新しいゲームの楽しみ方を生み出したと考えています。

この作品は自由に創造力を披露できるゲーム作品なのですが、それによって自分自身がゲームで遊ぶだけでなく、他人がプレイするゲーム動画を見て楽しむという新しい文化が作られたのです。その為、ゲーム動画の人気実況者は『マインクラフト』の時代から数多く生まれました。

これまた海外産のゲームとなりますが、現在e-Sports の頂点である“ジェネレーションZ”“ミレニアム世代”に大人気のゲーム『フォートナイト』は、任天堂のスイッチ(Nintendo Switch)向けですが、圧倒的な支持を受けています。彼らは、生まれながらに、テレビに代表されるマス情報よりもネットのソーシャル情らが優先され、メディアの情報ではやっているから購入するのではなく、信用し得る情報源から情報収集するという、今までのパターンとは全く違っていている世代であることを示唆しています。

そして彼らは、友達やSNSなどネットの情報を自分なりのフィルターをかけて処理するので、企業などがマスメディアで流す自分たちに都合の良い情報に対して、素直にそのまま信じません。これらのゲーム作品の爆発的ヒットは、アニメ化やテレビ広告のキャラクターから波及したものではなく、ソーシャルネイティブ世代の影響力によって広く認知され楽しまれたということが、時代の大きな変化として象徴的に感じるのです。(5つのビッグトレンド(2)へつづく)

Entertainment Business Strategist
エンタメ・ストラテジスト
内海州史

内海州史

1986年ソニー㈱入社、本社の総合企画室に配属。その後、社内留学制度でWhartonでMBA取得。ソニー・コンピューエンタテインメントの設立、プレイステーションのアメリカビジネスの立上げに深く携わる。その後、セガ取締役シニア・バイス・プレジデントに就任し、ドリームキャストの立上げを経験。ディズニーのゲーム部門のアジア・日本代表時に日本発のディズニーゲーム作品『キングダムハーツ』の大ヒットに深くかかわる。2003年にクリエイターの水口哲也氏と共にキューエンタテインメントを設立し、CEO就任。ビデオゲーム、PCやモバイルゲームにて多くのヒットを輩出。2013年ワーナーミュージックジャパンの代表取締役社長に就任し、デジタル化と音楽事務所設立を推進。2016年にサイバード社の代表取締役社長に就任。現在株式会社セガの取締役CSO、ジャパンアジアスタジオ統括本部本部長。

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