『The NEW 52!』以降、「シャザム!」の新たな冒険が始まる
2011年、二度目の大きな転機が起きる。ヒーローたちによるクロスオーバー作品「フラッシュポイント」により、これまでの世界観が再び一新され、新たな世界“プライムアース”が誕生、ここに『The NEW 52!』の歴史が幕を開ける。多くのヒーローたちの設定が改変、一新されていく中、キャプテン・マーベルも新たな物語を紡いでことになる。
2012年、「シャザム!」の新単独シリーズが始まる。ライターは、「フラッシュポイント」を手掛け、『The NEW 52!』では「アクアマン」などの古のヒーローを大復活へと導いたライターのジェフ・ジョーンズであった。ジェフ・ジョーンズによる新生「シャザム!」では、ビリーは以前の品行方正なキャラクターから皮肉屋の不良然とした性格に、キャプテン・マーベルはデザインも一新され、かつ名前をタイトル通りの「シャザム」に統一するなど、大幅な変更がもたらされた。物語もビリーが心の成長を通じて大人、一人のヒーローとして変化を遂げていく姿を軸に、血の繋がらない家族と絆を結んでいく様を、時に熱く時に軽快に描く。
スタート当初はこれまでの流れから180度変わった世界に戸惑うファンもいたが、ビリー/シャザムの新たな冒険譚が心を掴むのにはそう時間はかからなかった。日本でも2015年に「シャザム!:魔法の守護者」として翻訳され新たなファンを獲得した。その後も、一大事件「トリニティ・ウォー」(13年)の引き金になったり、その経験からジャスティス・リーグへ加入しサイボーグと仲を育むなど、新世界になっても相変わらずの活躍ぶりを見せる。
そして2019年4月。待望の映画化。『The NEW 52!』をベースにしながら、より一層ワルガキになったビリーとシャザムがスクリーンで大暴れ。全世界でセンセーションを巻き起こしている。コミックの方も『魔法の守護者』から1年後の世界を描いた新シリーズが2018年末よりスタートした。ビリーたちの新たな冒険はこれからどのような世界を見せてくれるのだろうか?
今年で誕生80年。時代のうねりに飲み込まれながらも、スーパーパワーで道を切り開いてきたビリーとキャプテン・マーベル/シャザム。彼らの物語はこれからも触れる人全てに、希望を与えてくれることだろう。
文/ますだやすひこ
【参考文献】
「HISTORY OF SHAZAM! 魔法は何度でも甦る」/内藤真代(「シャザム!:魔法の守護者」収録/小学館集英社プロダクション)
「DCキャラクター大事典」スコット・ビーティ他、翻訳:石川裕人他/小学館集英社プロダクション
「アメリカンコミックス大全」小野耕世/晶文社
身寄りのない思春期ど真ん中の子供、ビリー。ある日突然、彼は魔術師からスーパーパワーを与えられる。「シャザム!」と唱えると、筋肉隆々、稲妻を発することが出来るスーパーヒーローに変身できるのだ。ヒーローオタクのフレディと一緒に悪ノリ全開。そんなスーパーパワーを無駄遣い中のビリーの前に、科学者Dr.シヴァナが現れ、フレディがさらわれてしまう…。
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
製作:ピーター・サフラン
出演:ザッカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、マーク・ストロング、ジャック・ディラン・グレイザー
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開中
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
公式サイト:http://shazam-movie.jp/