Sep 12, 2020 column

『空の青さを知る人よ』で思い出す、かつて僕らが見た空の色

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“青春もの”作品が好きだ。ただ、あまりに素晴らしい作品に出会うと「ちきしょー。高校生の年齢でこれを見たかったなあ」とか、上映後もその年齢で見ることが出来た周囲の中高生客らを羨ましく感じることがある。そもそもがそのジャンルのメインターゲットは彼らであるので完全にそれを無視した中年の嫉妬心だ。細田守監督のアニメ版『時をかける少女』を見たときも、新海誠監督の『君の名は。』や『天気の子』を見たときも。とにかくこの嫉妬心を抑えるのが一苦労だった。

『空の青さを知る人よ』

それほどその年齢でそれを見られることが出来た人たちが羨ましかった。中年の僕もすごく感動したけど、彼らが見たその作品は同じ映画でありながらもたぶん僕とは違って見えていたはずで、そしてそれがどう見えていたのかが僕にはもうわからない。自分もかつてはその年齢であったのに、哀しいかなそれが歳を重ねるということになる。

だが例外的にその年齢を遙か過去に過ぎてしまったからこそ感じるものがある“青春もの”というものもある。昨年に公開されたアニメ映画『空の青さを知る人よ』はまさにそれだった。この7月からレンタル配信も始まっており、9月末にはWOWOWでの放送もされる予定だ。

作品公式サイト:
https://soraaoproject.jp/

『空の青さを知る人よ』
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高校2年の主人公あおいは幼くして両親を事故で失い、30過ぎの姉あかねと秩父で2人暮らし。この狭い街がイヤでいつか出て行くことを夢見ながらベースギターを弾き続けている。一方あかねはかつて同じ高校でバンドのギタリストだった慎之介と付き合っていたものの、慎之介がギターで一旗揚げるべく東京に出て行ってからは浮いたことも無く市役所で働く日々を送っている。

ある日、市のイベントで大物演歌歌手を招いた音楽祭が企画されるが、やってきたその歌手のバックバンドの中に慎之介の姿があった。時同じくして、街外れのお堂でベースの練習をしていたあおいの前に、突如、高校生の頃の慎之介(しんの)が現れる。

『空の青さを知る人よ』
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あおいにとっては、かつて子供心に小さな想いを感じていた憧れの姉の恋人・しんのとの再会。あかねにとってはかつての恋人との再会。想い描いた夢に届かなかった現在の慎之介と、まだ自分の夢を力一杯に信じていた頃のしんの。それぞれの“2度目の初恋”が描かれる。

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