Jan 28, 2018 column

80年代アニメの傑作『ザブングル』『イデオン』から戦艦、飛行機まで! 大人がハマる、食玩プラモデルの世界

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そして同社が昨年にリリースし、本格的な飛行機モデラーからも注目されているのが『1/72フルアクションシリーズ』。第1弾として『零戦21型』。第2弾で同『零戦21型』の塗装と部隊違いのシリーズ。第3弾で『彗星12型』が発売されている。パーツは全て塗装済みの状態でランナーについており、機体マークの一部のみ水転写デカールとなっている。 丁寧に組み上げると、翼のフラップや着陸脚や昇降舵に方向舵やキャノピーなどが可動する。飛行機模型ファンからも「約1,000円でこれが買えるの?!」と好評で、「飛行機プラモの入門としても最適」との声もある。前記の艦船シリーズ同様、その精密さから完成後の満足感は食玩とは思えない。

注意点としては、これらのキットは製作には接着剤とニッパーが必要となる。また、とにかく小さいパーツが多いためピンセットもあったほうがいいだろう。ニッパーはちょっと奮発して1,000円くらいの物は揃えた方がいいかもしれない。切れ味の悪いニッパーでは小さいパーツを切ったときにスッ飛ばしてしまい、そのまま無くしてしまう可能性がある。あと…悲しい現実だが、老眼鏡とか(笑)。僕はルーペが無いと、もうムリだ。

そしてこの食玩プラモデル市場で16年末に発売されて以降、“40歳以上の児童”に大人気…というより一大センセーションとなっているシリーズがある。バンダイの『スーパーミニプラ』シリーズ(http://www.bandai.co.jp/candy/search/brand/index.html?brand_id=105)だ。

『ミニプラ』は小さく簡易なプラモデルが入った食玩で、これ自体は戦隊ものを中心に昔から展開がされていた。『スーパーミニプラ』はその上位商品。価格もちょっと高いぶんプラモデルとしての密度も高く、アイテムセレクトも含めメインターゲットは30代、40代以上になっている。 16年に第1弾として発売されたのが82年に放送された傑作ロボットアニメ『戦闘メカ ザブングル』の『ザブングル』。1つ918円で全4種。この4つにそれぞれ「ブングル・スキッパー(上半身)」「ブングル・ローバー(下半身)」。そして脇役ながら作品世界を象徴している小型ウォーカーマシン「トラッド11タイプ」と「ギャロップタイプ」のプラモデルが入っており、「トラッド11タイプ」と「ギャロップタイプ」に同梱されているザブングル用の武器も合わせると、完全状態のザブングル(ほぼ1/144サイズ)を組み立てることが出来る。 つまりは全4種をそろえないと完全状態のザブングルは再現できないので、実質はセット買いが基本。これは同商品シリーズの他の同様の分割をしている物も同様で、それゆえに店によっては、バラ売りはせず、セットでの販売のみをしているところも多い。

こう考えると「4,000円のプラモデル」となるのだが、とはいえ同サイズのその他のロボットプラモの価格を考えたら「これでも信じられないくらい安い」と言える。

『ザブングル』に本放送でハマっていたアニメファンは、今は40代中盤以上。このアイテムセレクトがファンの反響を呼んだのは懐かしさだけではない。なにしろザブングルのプラモデル(それも一番製品数が多い1/144サイズ)は放送当時にリリースされた物しかなく、これが現在もたまに再生産が続いているだけだ。35年も前のキットなので、当然ながら最近のプラモに比べたら作りづらいし、なによりプロポーションもギミックも満足がいく物ではない。(とはいえ、この本放送時に出たトラッド11のキットのディテールアレンジは、35年を経ても傑作キットと言われる物なのだが、これは今回の記事の趣旨から外れる話となるのでちょっと割愛することとする)

それがついに、現在の技術で設計製造された『ザブングル』のプラモデルの登場となったのだ。合体変形はもちろん、オプションもそろっている。当時のファンに大ヒットし、瞬殺という勢いで売り切れた。