Aug 11, 2023 column

パワーインフルエンサーたちによる熾烈なパワーゲーム「セレブリティ」

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今年のお盆休みはいかがお過ごしでしょうか? 予定のある方もない方も、いま話題となっている配信オリジナルの映画、ドラマシリーズを一気見するのにいい機会です。otocotoでは選りすぐりの人気作・話題作を紹介します。

華やかで死の危険もあるインフルエンサーの世界

「愛の不時着」、「ヴィンチェンツォ」、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」など、数多く人気作の企画・製作を手がけてきた、韓国のドラマ製作会社スタジオドラゴン。2019年には、Netflixとの戦略的パートナーシップ提携を発表。今年の6月に配信スタートした「セレブリティ」は、Netflix × スタジオドラゴンによるオリジナル・ドラマだ。

物語は、主人公のソ・アリ(パク・ギュヨン)がInstagramでライブ配信を始めるシーンから幕を開ける。彼女はもともとセレブだったが、父親の会社が倒産したことでお嬢様人生から没落。販売員として、細々と生計を立てる生活を送っていた。そんなある日、ソ・アリの学生時代の友人で人気インフルエンサーのオ・ミネ(チョン・ヒョソン)に誘われ、セレブが集まるパーティに出席。妬み・嫉妬・欲望が渦巻く、ドロドロした上流社会を垣間見る。

そんなセレブの世界に舞い戻ることを決心したソ・アリは、広告会社の協力を得て戦略的にSNSを活用し、試行錯誤の末に130万人のフォロワーを抱えるパワーインフルエンサーに。その成功の裏に隠されていた“光と影”が、ライブ配信で赤裸々に語られるのだが、視聴者は驚きを禁じ得なかった。なぜなら彼女は、すでに“死んでいた”はずだったから‥‥というのが、おおまかなストーリー。

転落した主人公が、知恵と勇気と度胸でトップを目指し、妬み・嫉妬・欲望が渦巻く世界で孤軍奮闘するというサクセス・ストーリーは、過去何度も繰り返されてきた鉄板テンプレート。そこに、煌びやかなファッションや、SNSマーケティングという現代的なテーマなど、鑑賞者の興味を持続させる仕掛けが縦横無尽に張り巡らされている。

さらに、謎めいた大富豪ハン・ジュンギョン(カン・ミンヒョク)との恋、SNSの攻撃・誹謗中傷という社会問題、彼女は本当に死んでいるのかどうか?というミステリー的興味も絡んでくる。さすがスタジオドラゴン、さすがの面白さ&さすがのクオリティ。隅々にまで計算が行き届いた、非常に理知的なプロットだ。

財閥の御曹司ハン・ジュンギョン役のカン・ミンヒョク、財団理事長ユン・シヒョン役のイ・チョンア、その夫チン・テジョン役のイ・ドンゴン、ソ・アリの旧友オ・ミネ役のチョン・ヒョソンと、脇を固める役者はみんな素晴らしいが、やはりこのドラマは主人公ソ・アリを演じるパク・ギュヨンの凛とした存在感に尽きる。

感情を表に爆発させるのではなく、その想いを内に秘め、弱肉強食の熾烈な世界でサバイヴしていく姿は、逞しいの一言。にこやかな笑顔はとても愛らしいが、このドラマではむしろ何かに耐えている表情の方が印象に残っている。理不尽な仕打ちにも負けることなく、強い意思を宿したその瞳。そしてその怒りが頂点に達すると、一気呵成に胸のすくセリフをたてしまくる。底意地の悪いセレブたちが、「私に向かってよくそんな口がきけるわね!」と罵詈雑言を浴びせるシーンが何十回と繰り返されるたびに、ソ・アリは強烈なカウンターで応酬。この快感こそ、ドラマ「セレブリティ」の真骨頂なり。

「イカゲーム」シーズン2の出演も噂されている、パク・ギュヨン。今後要チェックのライジング・スターだ。

文 / 竹島ルイ

作品情報
Netflixドラマ「セレブリティ」

名声、富、そして権力。一夜にしてソーシャルメディアのスターとなったソ・アリを待ち受けていたのは、華やかでありながら死の危険すら潜むインフルエンサーの世界。

原作・制作:キム・チョルギュ、キム・イヨン

出演:パク・ギュヨン、カン・ミンヒョク、イ・チョンア

Netflixにて全世界独占配信中

視聴ページ netflix.com/title/81361096