Sep 07, 2023 column

第36回:Apple TV+が力を入れるSFシリーズ「サイロ」の魅力

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アクションスター・レベッカ・ファーガソンの魅力

主役の機械工ジュリエットを演じるのが、現在、アクション映画でひっぱりだこの女優レベッカ・ファーガソン。『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)で、トム・クルーズ演じるイーサンと共演して以来、ミッション達成の最強チーム紅一点イルサ役で、『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』(2018)、今夏の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』でミッションを完結させている。近年では、コロナ禍において最もヒットしたSF映画『DUNE/デューン 砂の惑星』のティモシー・シャラメ演じるポールの母親で王女の役も好評を博し、パート2でも期待がかかっている。

「サイロ」のジュリエットは、今まで、脇役がほとんどだったファーガソンのカリスマが輝くヒロイン役。母の死後、医者の娘という階級を捨て、サイロの最低階に自らくだり、機械工として汗と油まみれになって働くことを選んだタフな少女だった。ジュリエットの魅力は動かなくなった時計を修理して生き返らせるような、執着心の強いエンジニア精神。死んでいったサイロ塔民の死因を突き止めるために躍起になり、身の危険もかまわず、螺旋階段を逃げ回るシーンなど、トム・クルーズなみの体当たりアクションで、思わず手に汗握る。レベッカ・ファーガソンが走り回る塔のプロダクション・デザインを担当したギャビン・ボケットは、下積み時代に『スターウォーズ』にも関わった経験を持ち、スティーブン・ソダーバーグ監督の『KAFKA 迷宮の悪夢』が、プロダクション・デザイナーとしての最初の映画。「サイロ」では、常に円が映り込むような家具や照明、螺旋階段にも凝った視覚効果が見事。さらに、塔の中で暮らす人たちの生活に必要なインテリアの細部や、機械工具など、物語を支えるデザインが、レベッカ・ファーガソン率いる役者たちの演技と一体となり、大きな画面で見たい長寿SFシリーズになることは間違いない。