Jun 28, 2022 column

第13回:ディズニー・ピクサー新作『バズ・ライトイヤー』、そして観光産業をも盛り上げるディズニーの手腕

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一般のアメリカ人にとって、夏休みといえば、ディズニー・ワールド。コロナ禍中の2021年に50周年を迎えたディズニー・ワールドはその50周年祝いを来年23年の3月まで引き伸ばして、様々な行事を企画している。新型コロナウィルスで旅行ができなかった約2年の歳月を取り戻そうと、“リベンジ(仇討ち)・トラベルとまで言われるほど米国民の旅行フィーバーが始まっている。ディズニー・ワールド他、映画のテーマパークはここぞとばかり、新作映画と一体となったキャンペーンを繰り広げ、たくさんの観光客を待ち望んでいる。

海外旅行はまだ心配という人には、上海に続いて、東京ディズニー・リゾートに今年4月にオープンしたディズニー・ピクサー映画『トイ・ストーリー』シリーズをテーマにしたトイ・ストーリーホテルが話題のようである。11階建てで、色鮮やかなゲストルームは、アンディ少年の部屋をイメージした部屋など、おもちゃたちから歓迎される設定。身近に、家族連れで楽しんでもらうために、価格もリーズナブル。インスタグラム映えする撮影スポットも盛り沢山で、ファンにとってはたまらない名所となりそうである。

東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル

首位にこだわる映画スタジオ

『トイ・ストーリー』が世界に衝撃を与えたのが約27年前。コンピューター・アニメーションの革命と言われ、全世界で約3億6200万ドルの興業収入を上げ、ピクサー・アニメーション・スタジオの名を轟かせた。その後、『トイ・ストーリー』フランチャイズが5シリーズ続き、今年『トイ・ストーリー』ユニバース第一弾で劇場公開したのが映画『バズ・ライトイヤー』。

物語はアンディ少年のお気に入りの宇宙飛行士のおもちゃ、バズ・ライトイヤーがおもちゃになる前に、大好きだった映画の主人公だったという設定。決め台詞「無限の世界へ、さあ行くぞ!」とともに、有能な宇宙飛行士のバズは1200人もの情組員とともに出発したものの、道なる惑星に不時着してしまう。自分の力を過信してしまったことを悔やむバズ。しかし、ベストフレンドの情組員とその家族、ロボットの天才猫に支えられ、再度、全員を地球に帰還させるために奮闘するという、感動のスペースファンタジーに仕上がっている。

先週の全米興業成績では『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の5860万ドルに続いて5100万ドルと上位2位。映画スタジオはその週のナンバーワンという記録を出すために他社のヒット作と競合しないように何度も新作公開日を変更するほど、首位にこだわるため、映画『バズ・ライトイヤー』がなぜ、『ジュラシック・ワールド』を超えなかったかが、米業界紙面のネット上で議論されている。

第一の要因には共演相手のおもちゃがいないと、『トイ・ストーリー』として醍醐味は半分になってしまうのか。それとも空前の大ヒットとなっている『ジュラシック・ワールド』と『トップ・ガン』の間に挟まれてしまった結果なのか。監督は『トイ・ストーリー』シリーズ、そして『ファインディング・ニモ』シリーズでもチームワークのあるアンガス・マクレーンがピクサー、ベテランの脚本家アンドリュー・スタントンとともにあたためた映画で、見応えのある作品に仕上がっている。

ディズニープラスとのバランス、そして映画TVのキャラクターもテーマパークでファンサービス

ほとんどのハリウッドの映画会社は人気シリーズ作品を自社のストリーミング配信サービスで配信していて、ディズニープラスはまさにその一番手。今月公開の海外ドラマシリーズ作品も順調に展開している。最新作「ミズ・マーベル」は、ディズニー・マーベルコミックス市場初のムスリム系アメリカ人の女子高校生がスーパー・ヒーローとなった画期的なシリーズ。2014年2月にコミックスが出版され、全米でセンセーショナルにデビューした作品が原作である。

物語の舞台は、米ニュージャージー州。パキスタン系アメリカ人の両親のもとに生まれた女子高生カマラ・カーンはマーベル・コミックスの「アベンジャーズ」が大好き。イスラム教徒の両親に、その情熱を理解してもらえず、内緒で、友達とコミックコンベンションに赴くために仮装する。衣装はキャプテン・マーベルに似せたミズ・マーベル。しかし、ある事故に巻き込まれそうになった友人を守ろうとしたとき、祖母のかたみの腕輪から突然パワーが放たれ、夢にまでみたスーパーパワーを保持するのである。アニメや絵文字が飛び交う映像は、若いマーベルファンをターゲットにした斬新なもので、ヒーロー見習いの女子高生の青春ドラマとして完結している。

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