May 21, 2020 column

いま見られる注目のドラマ ~ こんなときだからこそ見ることをおすすめしたい作品

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新型コロナウイルス感染予防のため、多くのテレビドラマの撮影が中断している。

前半数話放送されたのち中断してしまった番組もあれば(フジテレビ「SUITS2」など)、再編集を施し副音声で解説を加え1話から再度放送している番組もあり(テレビ朝日「M 愛すべき人がいて」)、また、近日放送予定と予告編を流し続けている番組もある(テレビ朝日「BG〜身辺警護人〜」、日本テレビ「未満警察ミッドナイト・ランナー」、TBS「MIU404」など) 。

いま放送が続いている番組もあと何話まで続くのだろうと、ドラマの内容よりもそっちが気になってならない。昭和からずっとシリーズが続いている朝ドラや大河はいつも早めに撮影しているが、朝ドラ「エール」も大河「麒麟がくる」もその撮影ストックもそろそろ切れ、いよいよ一旦中断するのではないかとネットニュースを賑わせている。

(編集部注)5月15日に NHKは、大河ドラマ「麒麟がくる」、連続テレビ小説「エール」のいずれも6月に放送を一時休止すると発表しました。

そんななかで、すでに撮影が済んでいて最終回まで確実に放送できる番組は数作。NHK総合「いいね!光源氏くん」(土曜よる11時30分 全8回 最終回は5月23日)、フジテレビ系「隕石家族」(土曜よる11時40分〜 制作:東海テレビ 全8回 最終回は5月30日)、テレビ東京系「行列の女神〜ラーメン才遊記〜」(月曜よる10時)はすでに撮影済みであるという。テレビ東京系「捨ててよ、安達さん。」(金曜深夜0時52分〜)も全話のゲスト俳優13人が役のスチール写真で紹介されており、こちらも撮影済みとのこと。同じくテレビ東京系「レンタルなんもしない人」(水曜深夜0時12分)も8話までゲストが紹介されているので5月27日までは確実に放送がありそうだ。このわずかなドラマ、プライムタイム作品ではない、もしくはゴールデン帯ではないながらどれも秀作ぞろい。配信も行われているので、後追いも可能。こんなときだからこそ見てみることをおすすめすべく、各作品の見どころを紹介したい。

「いいね!光源氏くん」は「源氏物語」の主人公・光源氏(千葉雄大)が現代に“次元ジャンプ”して現代人のヒロイン・藤原沙織(伊藤沙莉)の家に居候する話。平安時代の文化や価値観が現代とは異質で戸惑うことばかりながら、次第に光源氏と沙織の気持ちは近づいていく。いつも烏帽子をかぶっていないといられないこと、なにかと気持ちを和歌に託すことなどには慣れても、最たる壁は、平安貴族が一夫多妻制であること。光源氏には妻がいるのである。どんなに沙織と光源氏が互いに好意を抱いても現代人の沙織にはそこがネックになる。さらに、そもそも虚構の登場人物である光源氏がなぜ実体化しているのかという謎も湧いてくる。ドラマはいよいよクライマックスへ―― 。

設定の面白さと光源氏役の千葉雄大の雅感がどハマリで話題沸騰中。沙織役の伊藤沙莉のほどよいやさぐれ感やツッコミの塩梅もよくて、胸キュンラブストーリーとはいえ甘さ控えめになっているので恋愛ものが苦手な人でも楽しめる 。

いいね!光源氏くん
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『いいね!光源氏くん』公式サイト: https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/hikarugenji/