水上恒司主演のディストピア映画『本当にあった話(の話)』のポスタービジュアルと予告映像が公開された。
本作の物語は、世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年経った今から始まる。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、演技経験のない夛田(ただ)が主演を射止める。だが役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、やがて虚構と現実の境界を見失い、ついに演じる人物と一体化してしまう。彼の凄まじい執着、執念は、やがて相手役となった米良、舞台の脚本家・垣内、舞台演出家の加藤らを次々と掌握し、戦慄と興奮のクライマックスへと突入していく。
主人公・夛田を演じるのは、ここ数年、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」や大河ドラマ「青天を衝け」を始め、主演ドラマや映画など話題作に次々と出演するなど、今、最も勢いのある俳優・水上恒司。本作では、全てを牛耳り、破壊していく夛田のカリスマ性と純粋な狂気を、驚異の憑依力と変幻自在の表情で“怪演”している。そして、黒木華、山下美月、小池栄子、佐々木蔵之介ら、人気実力ともに文句なしの豪華キャストが、新人監督の作品でありながらその独創的な脚本に魅了され、参集。動的な夛田に対して、それぞれがまっとうな意見を言う静的な役どころだが、心の内には“グロテスクな本音”を秘めているキャラクターたち。そんな彼らが夛田に翻弄され、しだいに“正義“という化けの皮を剥がされていくさまを、嬉々として演じている。
“実際に起きた殺人事件”というフィクションを題材に、虚構が現実を、妄想が真実を飲み込んでいく、その戦慄と興奮を毒気混じりのユーモアで描き出した本作。そんな“世にも不気味な物語”を生み出したのは、武井佑吏監督。初長編作『赤色彗星倶楽部』でPFFアワード2017 日活賞および映画ファン賞、第11回田辺・弁慶映画祭 グランプリを獲得し、NHK「今夜の旅はドラマチック/プラハ編」で第37回ATP賞テレビグランプリ 優秀新人賞を受賞。今回が商業デビュー作となる。

このたび公開されたポスタービジュアルに使われたのは、夛田を演じる水上の顔面崩壊レベルの強烈な笑顔がインパクトを残す1枚。禁断の舞台の主演の座を射止めたのを機に、役と一体化してしまい、“本当のこと”を盲信して暴走する男の恐怖が滲み出る写真で、『シャイニング』のジャック・ニコルソンを彷彿させる。そんな夛田に対して、黒木演じる相手役の米良、小池演じる舞台の脚本家・垣内、佐々木演じる舞台演出家の加藤の姿も収められているが、夛田を恐れるわけでもない、受け入れるわけでもない、“無垢なる真顔”がどこか不穏でおかしみすら感じさせる。キャッチコピーには「化けの皮、剥がれちゃってますよ?」「たったひとりの “本当のこと”」という意味深な言葉が添えられ、何が正義なのか、何が本当なのか──観る側をも煙に巻き、それぞれの価値観をも揺さぶる。
あわせて公開された予告映像は、Maika Loubté(マイカ・ルブテ)によるエレクトロミュージック「鋼の馬」をバックに、演技経験のなかった会社員の夛田が、しだいに役に呑み込まれ、周囲の化けの皮を剥がしていく過程がスケッチされていき、米良から浴びせられる「やっぱ頭おかしいね?」の痛烈な一言、そして最後は、暗がりでパソコンの光に照らされた不気味な笑顔で締め括られる。一方、謎のダンスを踊る米良ら、夛田以外のキャラクターも全員“狂っている”予告映像となっている。
映画『本当にあった話(の話)』は、2026年10月2日(金)より全国公開。

「化けの皮、剥がれちゃってますよ?」1999年。厳格な家庭に縛られてきた近田貴子は、恋人との結婚を否定され、ある計画に踏み出す。それは、立派な経歴を持つ男と結婚し殺害、その人生を恋人に引き継がせ“夫婦”として生きる計画だった。しかし、貴子の歪んだ欲望は止まらず、殺人は繰り返されていく──。そんな世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、夛田が主演を射止める。だがそこからがこの舞台の悪夢の始まりとなる──この男は一体何をしでかすのか?
監督・脚本・編集 武井佑吏
原作:鴻池留衣『本当にあった話(の話)』(文藝春秋)
出演:水上恒司、黒木華、山下美月、大東駿介、山本浩司、小池栄子、佐々木蔵之介
配給:東京テアトル/murmur
©鴻池留衣/文藝春秋/2026「本当にあった話(の話)」製作委員会
2026年10月2日(金) テアトル新宿ほか全国公開
公式サイト honbana.com