Netflix映画『This is I』が、26年2月に配信開始される。

2008年、エアあややの口パクモノマネで一世を風靡した、はるな愛。だが、その舞台に立つまでには、幼い頃から“本当の自分とは何なのか”に悩み、世間の冷たい視線に苦しみながらも「聖子ちゃんのようなアイドルになりたい」という夢を手放さなかったひとりの少年・大西賢示の長い道のりがあった。
その運命を変えたのは、一人の人物との出会い。それまで性別違和を持つ人々の苦悩を知らなかった医師・和田耕治は、賢示との出会いによって初めてその現実に向き合う。そして賢示こそ、和田医師が初めて執刀する性別適合手術の1人目の患者となった。
「自分の人生」を歩むことを選んだ賢示と、「本当の医療とは何か」を悩み患者に寄り添い続けることを選んだ医師。世間の反発や逆風の中で孤独を抱えていた2人が築き上げたのは、かけがえのない信頼と絆だった。2人の生き方を記した本、はるな愛「素晴らしき、この人生」(講談社)、和田耕治・深町公美子「ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語」(方丈社)を参考に、当時タブーとされていた性別適合手術の扉を開いた2人の心震わす実話がNetflix映画として鮮やかに蘇る。
主演を務めるのは、オーディションで選ばれた18歳の新星、望月春希。トランスジェンダー当事者を含む幅広い応募者が集まったオーディションは選考回数が重ねられ、最終的に望月の持つ繊細な感情表現と突出した存在感が見込まれて、Netflixが次なる可能性に懸けて大抜擢。さらに、主人公に大きな転機をもたらす実在する医師・和田耕治役は、斎藤工が熱演する。
メガホンをとるのは、『Noise ノイズ』で長編デビュー後、海外映画祭で高い評価を受け、商業映画『ぜんぶ、ボクのせい』や、23年に公開された映画『Winny』などを手掛け注目を浴びる、新鋭・松本優作監督。