『舞妓Haaaan!!!』(2007)をはじめ、数々のヒット作を送り出してきた水田伸生監督が、ベストセラー作家・真保裕一の同名小説を映画化した、国を揺るがすサスペンス映画『おまえの罪を自白しろ』が、10月20日に公開された。
ある日、政治家一族・宇田家の長女 麻由美の娘が、誘拐された。犯人の要求は身代金ではなく、家長である国会議員・宇田清治郎に対して「明日の午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という脅迫であった。それは、決して明かすことのできない国家を揺るがす“罪”だった‥‥。国か、家族か。決断を迫られる緊迫の24時間で警察、マスコミ、国民を巻き込み闇に切り込む本格サスペンス。
この度、愛娘を誘拐された緒方麻由美を演じた池田エライザさんにインタビュー。彼女は初の母親役をどう演じたか、理想の家族とはどんなものか? そして彼女自身が自白した“罪”とは一体 ! ?
池田エライザが思う母親像
ーー初めてこの脚本を読んだときの感想を教えてください。
この文章が映像になって立体的になるのが楽しみだなぁと思いました。原作は、クランクアップした後に読んだんですが、一読者として純粋に面白いなと思いました。
ーークランクアップした後に原作を読むんですか?
私は、大体そうするようにしています。原作と違う点について”なぜ変えたのか?”っていう意図は役にあまり関係がないし、知るべきことじゃなかったりするじゃないですか。お芝居しているときに”原作はこうだったのに、この作品ではこうなんだ”と思いながら演じるのは、池田エライザ個人として考えている時間が増えちゃうから、いただいた脚本ありのまま一旦受け止めるようにしています。
ーー基本的には、いつもその流れで役作りされるんですね。
全てではないですけどね。脚本と作品によりけりで、原作者さんや監督の要望次第ですけど、”読まない方がいいかも”っておっしゃる方が多いのでそうしてますね。
ーー今回、緒形麻由美役を演じるにあたって、準備したこととかありますか?
子供を産んだ経験が実体験としてないので、身近で最近妊娠した方や出産を経験した方に、お会いする度に話を聞いていました。「今どのぐらい痛い?」とか「出産して変わったことと変わらない事って何?」とか、質問責めにしていたと思います。
ーーその中で参考になった具体的なエピソードはありますか?
結局、人それぞれだということですね。それでも子どもは”何者にも代えがたい存在である”っていうのは、みんな一貫しておっしゃっていて。今回演じた緒形麻由美も、自分の命よりも娘の命を優先する瞬間があるんですが、そのセリフは私から監督に提案したものだったんです。
ーー「自分を人質にしてくれないか?」っていうセリフがそうなんですか?
はい。いろんな人に話を聞いていくと、自分の子どもがもし誘拐されたら、”こういうふうに思うんだろうな”と感じたので、監督に相談させていただきました。