「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の脚本を務めた岡田麿里の『さよならの朝に約束の花をかざろう』に続く2作目となる監督最新作で、数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌を、中島みゆきが担当することが発表された。
アニメファンだけでなくアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里。そんな岡田の2作目の監督作となる本作は、『この世界の片隅に』 『劇場版 呪術廻戦 0』 「進撃の巨人 The Final Season」など数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPAがアニメーション制作を担当。MAPPAがオリジナル劇場アニメーション作品を手掛けるのは、今回が初となる。
主題歌は、数々の名曲で人々の心を動かし続ける、シンガーソングライター中島みゆきによる書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」。中島は、今回初めてアニメ―ション映画へ楽曲を提供する。
中島が楽曲制作を決めるに至ったのは、岡田の台本が決め手だったという。 中島はコメントを寄せ「ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!」とそこに描かれていた物語に強く心動かされ本作への参加を決意したことを明かした。
【コメント(全文)】
▼岡田麿里
『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌が完成したとご連絡があり、スタジオにお伺いしました。期待で前夜は眠れなかったうえに、その場にみゆきさんがいらっしゃったことで興奮と緊張は限界に達し、挙動不審かつドライマウスの私に歌詞の紙が渡されました。
そこには、「心音(しんおん)」と書かれていました。「心音(しんおん)」が流れてきた瞬間、正面から、強い風がぶわっと吹いた気がしました。風にあおられて、緊張だけでなく、スタジオの景色がすべて吹っ飛んでいきました。そして、この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました。
2023年6月現在、『まぼろし工場』の制作は順調です‥‥とは正直、言えません。映画の内容と同じく、さまざまな困難にぶちあたり、倒れそうになることもあります。でも、そのたびに「心音(しんおん)」がどんどんと心臓を叩いてくれ、蘇生させられています。みゆきさん、瀬尾さん(*中島みゆき音楽プロデューサー)をはじめとした「心音(しんおん)」チームの皆さん。この素晴らしい主題歌が流れる、エンディングを迎えるために。『まぼろし工場』とアニメ
スタッフは最後まで駆け抜けていきます。本当にありがとうございました。
▼中島みゆき
ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。
岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。一瞬だけ駆け寄って「この台本、好きです!」と言うのが精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです。
映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は、2023年9月15日(金)公開。
突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学3年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第5高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女。2人の少女と正宗との出会いが世界の均衡を崩していき、日常に飽きた少年少女たちの、止められない<恋する衝動>が世界を壊し始める‥‥。
原作・脚本・監督:岡田麿里
制作:MAPPA
出演:榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲
配給:ワーナー•ブラザース映画、MAPPA
©新見伏製鐵保存会
2023年9月15日(金)公開
公式サイト maboroshi.movie