Apr 08, 2022 news

チェコ・アニメーションの創設者のひとりカレル・ゼマン特集『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』予告映像が公開

A A
SHARE

上映作品情報

『鳥の島の財宝』(1952年)
小さな美しい島では皆が平和に暮らしていた。ある日突然、島に黄金がもたらされたことから人々の暮らしぶりが一変する。古いペルシャの寓話を元にして作られた牧歌的人形アニメ。ペルシャ細密画のような作風で描いた”大人の絵本”のようなゼマン初の長編作。

『前世紀探検』(1955年)
ボートに乗った4人の少年が“時間の川”を上りながら古代世界を冒険していく。ブロントザウルス、ティラノザウルスなどの恐竜との遭遇、そして未知の生きものの発見。『ジュラシック・パーク』のはるか先駆ともいうべき恐竜映画史に残るSFトリック・フィルムの傑作。

『悪魔の発明』(1958年)
科学者ロック教授とその助手アールは新型爆弾の開発に没頭していたが、完成寸前で何者かに拉致されてしまった。「海底二万マイル」などのSF小説の祖として名高いジュール・ヴェルヌの原作を映画化したゼマンの代表的特撮冒険SF映画。

©Muzeum Karla Zemana

『ほら男爵の冒険』(1961年)
宇宙飛行士のトーニークは人類初の月面着陸に成功した、と思ったが降り立った月面にはすでに何者かの足跡が残されていた…。G・ビュルガーの原作から飛び出した“ほら男爵”の奇想天外な大冒険譚が、ゼマンのアニメと実写の見事な合成で最後までノンストップで綴られていくファンタジー大作。

©Muzeum Karla Zemana

『狂気のクロニクル』(1964年)
17世紀のドイツを舞台に、ヨーロッパ諸国を30年にわたって巻き込んだ宗教戦争を背景に、主人公ピーターを通して戦争の愚かさをゼマン流に描いた。ゼマンは劇中に登場するキュートな天使をはじめ、重いテーマをシュールにユーモラスな遊び心を織り交ぜて作り上げた。

『盗まれた飛行船』(1966年)
19世紀末のベル・エポックの時代。飛行船が発明され人々は興奮して大騒ぎ。その最中に5人の少年たちが飛行船を乗っ取り大空に飛び出した。ジュール・ヴェルヌの代表作「神秘島」の特撮映画化で少年たちの奇想天外な冒険を、実写と書き割りで描き出した、『天空の城ラピュタ』を先取りした傑作ファンタジー。

『彗星に乗って』(1970年)
1868年のフランス領アルジェリア。フランス軍の若き中尉は町で見かけた絵葉書の美女に一目惚れするが、その時、謎の彗星が地球に大接近してくる。その彗星は全盛期の恐竜や龍が棲む惑星だった‥‥。『盗まれた飛行船』に続くジュール・ヴェルヌ原作の映画化。鮮やかな色彩に圧倒されるゼマン・アドベンチャー

『シンドバッドの冒険』(1974年)
アランビアンナイトの主人公のひとり、船乗りシンドバッドは大海を旅し、異国の王国を尋ねる途中で数多くの驚きに遭遇する。その冒険譚を7つの短編で色鮮やかに描いたエキゾチックな切り絵アニメーション。

『クラバート』(1977年)
少年クラバートは、夢に誘われるまま水車場の見習いになり、親方から魔法の修行を受けるのだが…。児童文学の傑作をダークなキャラクターで映像化した。アニメーション映画史に刻まれるゼマン晩年の傑作。

『ホンジークとマジェンカ』(1980年)
ホンジークは妖精マジェンカと出会い恋に落ちる。しかし二人の愛の前には様々な苦難が襲いかかってくる。牧歌的音楽が流れる中での恋の行方は‥‥。ゼマン最後の長編ファンタジー。
同時上映短編:プロコクウ氏 映画制作の巻(1947年)

イベント情報
特集『チェコ・ファンタジー・ゼマン!』

カレル・ゼマン(1910-1989)は、人形アニメーションや絵本で人気の高いイジー・トゥルンカ(1912-1969)と並ぶチェコ・アニメーションの創設者のひとり。ジュール・ヴェルヌ原作の『悪魔の発明』、『盗まれた飛行船』、加えてG ・ビュルガーの原作をアニメと実写の合成で作り上げたゼマンのファンタジー大作『ほら男爵の冒険』ほか全10作品と短編『プロコクウ氏 映画制作の巻』を上映。ゼマン初期から晩年に至る詩情とロマン溢れる代表作が一挙に見ることができる貴重な機会となる。

2022年4月23日(土)~5月6日(金) 新宿K’s cinemaにて開催

公式サイト ks-cinema.com/movie/zeman/