北アイルランド、ベルファストにあるホーリークロス男⼦⼩学校で⾏われている哲学の授業を2年間にわたり記録し、国内外の映画祭で多くの賞を受賞した、ドキュメンタリー映画『ぼくたちの哲学教室』。
エルヴィス・プレスリーを愛し、威厳と愛嬌を兼ね備えたケヴィン校⻑と⼦どもたちによる、微笑ましくも厳粛な対話が、ニコラ・フィリベールの『ぼくの好きな先⽣』を彷彿とさせる本作の、予告映像が公開された。
共同監督を務めたのは、アイルランドで最も有名なドキュメンタリー作家の1⼈であるナーサ・ニ・キアナンと、映画の舞台となったベルファスト出⾝で⻑年にわたり映画編集者として活躍するデクラン・マッグラの2人。
北アイルランド紛争によりプロテスタントとカトリックの対⽴が⻑く続いたベルファストの街には「平和の壁」と呼ばれる分離壁が存在する。1998年のベルファスト合意以降、⼤まかには平和が維持されているが、⼀部の武装化した組織が今なお存在し、若者の勧誘に余念がない。争いの記憶は薄れやすく、平和を維持するのは簡単ではない。
不安や怒り、衝動に気づき、コントロールすることが、⽣徒たちの⾝を守る何よりの武器となるとケヴィン校⻑は知っており、かつて暴⼒で問題解決を図かってきた後悔と挫折から、新たな憎しみの連鎖を⽣み出さないために、彼が導き出したひとつの答えが、哲学の授業。宗教的、政治的対⽴の記憶と分断が残る街で、哲学的思考と対話による問題解決を探るケヴィン校⻑の⼤いなる挑戦をカメラが捉えた。
イギリス出⾝のブロードキャスターであるピーター・バラカンは、ベルファストの社会背景に触れながら「ケヴィン校⻑が⼩学⽣の男の⼦たちに施している極めて貴重な教育は次世代の感性に深い影響を及ぼす」と本作にコメントを寄せた。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)コメント全⽂
ベルファストといえば、約 30 年にわたって内戦に近い状態が続いた街。
あれから更に 20 年以上経ってもしこりが残る環境で育つ⼦供たちの⼼はなかなか穏やかになりにくいはずです。
ケヴィン校⻑が⼩学⽣の男の⼦たちに施している極めて貴重な教育は次世代の感性に深い影響を及ぼすと思います。
このような教え⽅は全世界で取り⼊れる価値が⼤いにあります。
映画『ぼくたちの哲学教室』は5⽉27⽇(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開。
北アイルランド、ベルファストにあるホーリークロス男⼦⼩学校。ここでは「哲学」が主要科⽬になっている。エルヴィス・プレスリーを愛し、威厳と愛嬌を兼ね備えたケヴィン校⻑は⾔う。「どんな意⾒にも価値がある」と。彼の教えのもと、⼦どもたちは異なる⽴場の意⾒に⽿を傾けながら、⾃らの思考を整理し、⾔葉にしていく。
監督:ナーサ・ニ・キアナン、デクラン・マッグラ
出演:ケヴィン・マカリーヴィーとホーリークロス男⼦⼩学校の⼦どもたち
配給:doodler
配給宣伝協⼒:エスパース・サロウ
© Soilsiú Films, Aisling Productions, Clin dʼoeil films, Zadig Productions,MMXXI
2023年5⽉27⽇(土) 全国順次ロードショー
公式サイト youngplato.jp