2015年、第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」で作品賞を受賞し、同年の新藤兼人賞銀賞を受賞した自主映画『ケンとカズ』で、多くの映画ファンにインパクトを残した小路紘史監督。
この度、8年の時を経て新たに生み出された、小路監督の待望の新作映画『辰巳』が第36回東京国際映画祭「アジアの未来」部門に出品される。あわせて、映画祭版の特報映像とビジュアルが公開された。
小路監督の長編処女作『ケンとカズ』に続き8年ぶりの完全自主制作映画となる本作は、制作にあたってクラウドファンディングで監督の新作を待ち望む多くの支援者から500万円を超える資金が集まり、2019年に制作開始された。
その後、コロナ禍の影響で制作が延期されたが、23年に完成、本映画祭で待望のワールドプレミアを迎える。タイトルロールである主人公・辰巳役を演じるのは、話題作『ONODA 一万夜を越えて』での高評価が記憶に新しい遠藤雄弥。最愛の人を失い絶望のなかで行き場のない怒りを復讐に変える少女・葵役には、注目の若手女優、森田想。そのほか、佐藤五郎、後藤剛範、藤原季節ほか実力派が脇を固める。
【コメント】
▼遠藤雄弥
この度、映画『辰巳』で成瀬辰巳役を演じさせていただきました、遠藤雄弥です。2019年の春に、今作のオーディションを受け、本撮影が同年の秋でした。
現場に行くのが楽しみだった『辰巳』スタッフ、共演者、仲間達と会うのが楽しみだった『辰巳』最高のチームワークで作品を創っていた日々が昨日の事のようだった『辰巳』なにより、映画監督「小路紘史」さんがクリエイターとしてのキャリア、自身の人生を懸けて、この作品を生み出しました。そんな漢の背中を見て、彼を全力で担いだみんなの結晶。そんな映画です。
それから、4年の月日が流れてようやくこの作品が完成し、皆様に観て頂けるのを、一同心より嬉しく思っております。この4年間、片時も離れず、忘れる事なく『辰巳』に寄り添い、試行錯誤を繰り返してきた、小路監督に大きな拍手を送りたいです。おめでとうございます。
僕達みんなで創った想いと魂の結晶を皆様にご覧いただき、感じていただき、さらに大きく育てていただけたら幸いでございます。映画『辰巳』よろしくお願い致します。
▼小路紘史(監督)
『ケンとカズ』の東京国際映画祭での上映から8年、ようやく2作目を持って帰ってくることが出来ました。周囲の方から「小路は生きてるのか?」「音沙汰ないけど、なにやってるんだ?」と心配されましたが、今は胸を張って「この映画を作っていました!」と言えます。
この作品は主演の遠藤雄弥さん、そして森田想さんをはじめキャスト・スタッフが一丸となって面白い映画を作ることだけを目的に、とても誠実に向き合った作品です。皆のほとばしる熱量は映像に焼き付き観客の心を掻き立ててくれるはずです。ぜひ皆さん期待を膨らませてスクリーンの椅子に腰かけてください。映画『辰巳』よろしくお願い致します。
映画『辰巳』は、第36回 東京国際映画祭「アジアの未来」部門にて上映。
裏稼業で働く孤独なヤクザの辰巳は、ある日元恋人・京子の殺害現場に遭遇する。一緒にいた京子の妹・葵とともに命からがら逃げる辰巳だったが、最愛の家族を失い、復讐を誓う葵は京子殺害の犯人を追う。葵に振り回されながらも彼女を助ける辰巳は事件の真相に迫っていくのだが‥‥。
監督・脚本:小路紘史
出演:遠藤雄弥、森田想、後藤剛範、佐藤五郎、倉本朋幸、松本亮、渡部龍平、龜田七海、足立智充、藤原季節
第36回 東京国際映画祭「アジアの未来」部門にて上映
公式サイト(東京国際映画祭) tiff