Jun 21, 2025 news

ファンの大歓声に包まれ、舘ひろし&柴田恭平“あぶ刑事”コンビが登壇!  「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト

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1960年9月20日に開業した映画館「丸の内TOEI」が、2025年7月27日に閉館する。65年の長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトにおいて、この度6月21日に『あぶない刑事』(1987)が上映され、舞台挨拶に主演の舘ひろしと柴田恭兵が登壇し「丸の内TOEI」のラストショーを盛り上げた。

「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトでは、劇場へかかわる全ての人への感謝と「映画館で映画を観る」ことの大切さを改めて訴求することをコンセプトとして掲げ、80日間にわたる100作品以上の傑作特集上映に加え、劇場を活用したさまざまなイベントが実施されている。

そしてこの度、満を持して“あぶ刑事”の名コンビ、タカ&ユージを演じた舘と柴田が登壇。2人にとって「丸の内TOEI」は何度も訪れてきた思い出の地。『帰ってきたあぶない刑事』の舞台挨拶以来の登場に、満席となった大勢のファンたちの熱気に包まれ、大盛況のイベント開催となった。

オープニングではこれまでの『あぶない刑事』シリーズの舞台挨拶イベントをまとめた映像がサプライズで劇場に流れ、1996年に「丸の内TOEI」に初めて登壇した模様をはじめ数々のイベントの様子が紹介された。劇中のスーツ衣裳で颯爽と登場した2人は、2分近くも鳴りやまない拍手に包まれ「50年前、東映の『暴力教室』で俳優としてデビューしました。この丸の内TOEIも自分の中でたくさん思い出のある映画館です」と舘ひろしが切り出し「あぶない刑事と柴田恭兵に出会ったことで、自分の俳優人生が豊かになった」と感慨深く挨拶。一方、柴田は第一声で「こんなに狭かったかなぁ」とおどけながら、久々の丸の内TOEIでの登壇を懐かしみつつ、高倍率となったこの舞台挨拶にちなんで、「『あぶない刑事』も“運”だけでやってきた映画です。会いに来てくれてありがとう。皆さんに会いたかった!」と話し、会場は拍手と笑顔に包まれた。

続いての話題は、思い出に残っている『あぶない刑事』の舞台挨拶について。舘は「1作目の公開の時は、映画が斜陽になりかけていた時期だったが、階段の下までお客さんがいっぱいになっていた」と、当時のすさまじい人気ぶりを振り返る。柴田は、1作目の公開初日舞台挨拶が終わった後、当時東映の社長だった岡田茂に「柴田君、この映画はよくわからんのぉ、こんなのヒットするのかね」と言われたことにカチンときて、「社長にとって分かり易い映画はヒットしません。社長に“分からないから”絶対ヒットします!」と啖呵をきったエピソードを披露し会場を沸かせた。

映画化を初めて聞いたときの印象を聞かれると、舘は、テレビシリーズで終わりだと思っていたこともあり「めんどくさいなぁ」と思っていたという最初の印象を語り、当時は石原裕次郎が亡くなった年でもあり、公開初日にはチケットとパンフレットを持って自宅を訪ね「社長、今日公開しました」とヒットの報告をしたと明かした。柴田は、テレビのギャグが映画でも伝わるかがとても心配で、自ら舞台挨拶後に映画館にお客さんの反応を見に行ったことがあるとか。その際に、お客さんが凄くウケていたことが嬉しくて、次の映画では「もっとやって良いんだ」と自信をもてた、とエピソードを語った。

撮影時の思い出について話が及ぶと、舘は1作目の映画で監督に「オートバイから、ひょっとしたらトラックに飛び乗れるかもしれない」とストーリー上必要のない演出を自ら提案したことを明かす。撮影は、ケガなどがあっても大丈夫なように最終日に行われたという。柴田は、このシーンもそうだが、ハーレーでのショウタイムのシーンなど、最終日に近い段階で行われることが多く「絶対にケガだけはしないでくれ」と本気で祈っていたそう。

タカとユージが、1作目でタンゴを踊るシーンに話が及ぶと、このシーンも舘が監督に軽い気持ちで提案したことが明かされ、真夏の撮影で、2人で抱き合って汗だくになりながら撮影、終わった後で「言わなきゃよかった」と後悔したと話し、会場は笑いに包まれた。

キャラクターの設定に2人のアイデアが反映されているのか?という質問に対して、舘は「『あぶない刑事』は、恭サマが作ったもの」と言い、「家に例えると、自分は土台で、恭サマが建物」と例え、それまでの刑事ドラマの常識を覆す新しいスタイルを確立した作品の背景を語った。

数々のゲスト俳優について、舘は、「室田日出男さんとは『暴力教室』以来の共演ができて嬉しかったのを覚えている」、柴田は「自分たちが無茶ぶりばかりするのだけど、その都度、どんなゲストの方も快く受けてくださり、ゲストの方々が“あぶ刑事”のテイストを感じ取ってくれて、僕たちを活かしてくれて、とても楽しかった」と感慨深く当時を振り返った。

7月27日に閉館する丸の内TOEIについて、舘は「本当に、僕にとって思い出が詰まった映画館です。とっても寂しい気持ちもありますが、これからも東映の映画を愛してください。ありがとうございました」と挨拶。柴田は、「丸の内TOEIは、7月27日をもって閉館となりますが、我が“あぶない刑事”は永久に不滅です!」と声高々と締めくくり、大歓声の中で舞台挨拶は終了した。

「さよなら 丸の内TOEI」は、2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中。

作品情報
「さよなら 丸の内TOEI」

往年の名作から最新作まで80タイトル以上を特集上映。そのほか、各種関連イベントが予定されている。

上映劇場:丸の内TOEI

提供:東映株式会社

2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中

公式サイト marunouchi-toei-sayonara0727