May 18, 2025 news

役所広司、白石和彌が登壇 『孤狼の血』撮影当時を振り返り「続編で復活を」と次回作への野望語る 「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト

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2025年7月27日に閉館を控える映画館「丸の内TOEI」のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトにおいて、この度5月18日(日)に『孤狼の血』主演の役所広司と、監督を務めた白石和彌が登壇。舞台挨拶が開催された。

本編鑑賞直後の熱気冷めやらぬ中、役所広司と白石監督が大きな拍手に迎えられ登壇し、当時オール広島ロケで行われた撮影を振り返った。

冒頭の挨拶で役所は「8年経ってもこんなにたくさんのお客さんに見ていただいて映画も喜んでいると思います」、白石監督は「おそらく今日が丸の内TOEIで僕が舞台挨拶させていただく最後の日。ちょっと寂しい気持ちもあります」と、丸の内TOEIでの久々の上映と舞台挨拶について感慨深く語った。

まず話題に挙がったのは、役所が演じる大上章吾のキャラクターについて。役作りについては「舞い降りてきた天使、のつもりで演じようと思っていましたね。そういう風に見えるといいなあと思って」と意外な話で会場を驚かせた。また台本が出来上がってから撮影中までずっとトレーニングしていた呉弁については「まだ抜けない。うちの事務所に呉出身の俳優がいて、彼と話す時には呉弁が出てしまう」と語った。

MCから「大上に関する監督からの指示で、やり過ぎと感じたことは?」と質問されると「衣装合わせの時に感じました。監督が選ぶ衣装が、画にかいたような衣装で。『ネックレスにサングラスか』と思いましたが、その衣装を着て呉の街を歩くと、そういう雰囲気になるんですよね」と心情を明かした。

劇中の印象的なシーンについては、作品の終盤、松坂桃李演じる日岡が大上と「クラブ梨子」で対話する長回しのシーンが話題にあげられ、現場で突然監督がワンカットでの撮影を提案したことについて役所は「冗談を言っているのかと思いました」と当時を振り返る。続けて監督が「カットを分けて普通に(撮影も)できるんですが、そういうシーンでいいのかと思ってしまったんですよ。この作品は、思いとか仕事とかを次の世代に継承していく話でもあるから。役所さんと桃李くんの芝居を見ていた時に、きっと役所さんの芝居をみて桃李くんは継承するんだろうなと思っちゃって、ワンカットでやりたいですと言いました」とこのシーンに対する熱い思いを語った。続けて「そうしたら役所さんからは『監督(そんなに早く終わりたいなんて)この後飲みに行く約束でもあるんですか』と言われてしまいまいたが」とほほえましいエピソードを明かした。

松坂桃李との共演について役所は、「あの好青年が(続編の)『LEVEL2』ではあんな風になっちゃって。(『孤狼の血』前半の松坂演じる日岡は)本当に好青年で、松坂さんにぴったりですよね」とその印象を語った。

そして話題は、すでに製作が決定している続編のことに及ぶ。「作業は進んでいますか?」との質問に監督は「現状そんなに進んでないんですけど。東映さんの作品では(『仁義なき戦い』シリーズのように)一度死んだ方も続編で戻ってくるというお家芸もありますし、役所さんにヤクザの大物で出てもらうという野望もあります」と明かした。それに対して役所は「びっくりですね」と五十子会長の台詞を思わせる返答で笑わせる。

最後に、7月27日で閉館する丸の内TOEIについて聞かれると監督は「歴史ある映画館で僕もたくさんの思い出があるんですが、その最後に、役所さんと一緒に(舞台挨拶に)立てて誇りに思います。丸の内TOEIありがとう。映画を観てくださったお客さんも本当にありがとうございます。丸の内TOEIはなくなりますが、東映はまだ映画を作っていくし、僕も映画を作っていくし、役所さんとも一緒に映画を作りたいですし、映画作りは続けていきますので応援よろしくお願いします」と語った。

役所は「閉館まであと70日、寂しいですね。僕が初めてこの舞台に立たせてもらったのはたぶん『オーロラの下で』という作品で、(故・東映㈱名誉会長の)岡田茂さんがいて、(故・東映㈱グループ会長の)岡田裕介さんがいて、僕の映画の青春が詰まった映画館でした。こういう街の映画館がなくなっていくのは寂しいですね。これからの俳優やスタッフでも、丸の内TOEIのことを知っている映画人が減っていくのもこれまた寂しい。今日こうやって、白石監督と作った東映らしい映画で、『さよなら 丸の内TOEI』で舞台挨拶が出来て、とても幸せを感じています」と話し、舞台挨拶が締めくくられた。

「さよなら 丸の内TOEI」は、2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中。

作品情報
「さよなら 丸の内TOEI」

往年の名作から最新作まで80タイトル以上を特集上映。そのほか、各種関連イベントが予定されている。

上映劇場:丸の内TOEI

提供:東映株式会社

2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催

公式サイト marunouchi-toei-sayonara0727