コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第234回
乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波がメインキャストを務める、『映像研には手を出すな!』の前夜祭舞台挨拶が、9月24日に都内で行われた。
アニメ化もされるなど絶大なる人気を誇る本作で、超人見知り&超天才監督の主人公・浅草みどりを演じることに不安を抱いていたという齋藤は「自分が演じるなんて想像がつかなかったので、最初は「私には無理です」って伝えました。自信がなかったんですよね。自分以外に適役がいると思っていました」と打ち明けると、「何でやったんだろう・・・(笑)」と頭を悩ませつつ、「作品に魅力を感じましたし、スタッフさんの愛が物凄かったので、その愛に負けたんだと思います。やるしかないなって」と当時の気持ちを吐露していた。
また、苦労した点について齋藤が「ワイヤーで吊るされたり、ペットボトルのロケットを頭に当てられたりはしましたが(笑)、苦労は感じなかったです。楽しく演じられました」と振り返り、「監督と打ち解けるまでが大変でした(笑)」と口にすると、「俺が偏屈みたいじゃん」と文句を言う英勉監督に対し、齋藤は「私が浅草氏のカツラを被っていると楽しく話してくれるんですけど、齋藤飛鳥に戻ると『もう浅草じゃないからしゃべらない』ってどっかに行っちゃうんですよね(笑)」と、自分と“同類”の英監督の人見知りっぷりを暴露していた。
一方、カリスマ読者モデルでアニメーターの水崎ツバメを演じた山下は「撮影前は正直、あまり仲良くなかったんですけど」と発言し、齋藤と梅澤(金森さやか役)から「語弊がある!!」とツッコまれながら、「私と梅澤はグループでは同期なんですが、飛鳥さんは5年も先輩なので気を遣うことが多くて(笑)、しゃべることも少なかったです。ただ、過酷な撮影が多く、3人で力を合わせないと乗り越えられないところもあったので、知らず知らずのうちに仲良くなっていました。今は何でも話せる関係性です」と、とびっきりの笑顔を見せる山下だった。
それについて齋藤は「私が気を遣わせてるのが分かったので、どうにかしないと、と思ったんですが・・・」と先輩としての立場に苦労をにじませながらも、「浅草氏になると子どもっぽくなって、2人にお願いしたりもできるので、浅草氏の力を借りていました」と、自身が演じたキャラクターを通して後輩たちと仲良くなっていたことを明かしていた。
最後に、英監督が続編を匂わせる発言をすると、齋藤は「今回は撮影環境が劣悪だったので、暖かくて、緩やかな時間が流れるロケ地であれば(笑)」と条件付きでやる気を見せつつ、「人生の分岐点になるくらい、私にとって大きな作品になりました。それを確信したのはキャンペーンの時間で、元々は5月に公開する予定だったんですが、それが(コロナで)伸びた分たくさんキャンペーンを行うことができました。その期間まるっと全部通して、私の大切な時間になりました。本当は浅草を演じている自分を観るのは恥ずかしいんですけど、皆さんにたくさん観て頂いて、続編をやるかは分かりませんが、それくらい反響がある作品になればいいなと思います」と熱い言葉で締めくくっていた。
舞台挨拶には、出演の桜田ひより、板垣瑞生、赤楚衛二も登壇した。
映画『映像研には手を出すな!』(東宝映像事業部配給)は、アニメ制作を志す映像研究同好会、通称・映像研に所属する女子高校生3人の活躍を描き、アニメーション&テレビドラマ化もされた、犬童澄瞳による同名コミックを実写映画化。
監督:英勉
脚本:英勉、高野水登
出演:齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波、小西桜子、グレイス・エマ、福本莉子、松崎亮、桜田ひより、板垣瑞生、赤楚衛二、鈴之助、出合正幸、松本若菜、山中聡、浜辺美波、高嶋政宏、安倍乙、うえきやサトシ ほか
9月25日(金)より全国公開中。
(C)「映像研」実写ドラマ化作戦会議 (C) 2016 大童澄瞳/小学館、(C) 2020 「映像研」実写映画化作戦会議 (C) 2016 大童澄瞳/小学館