
コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第233回
俳優の磯村勇斗が、9月15日に都内で行われた『TENET テネット』の公開直前“逆行体験”イベントに出席した。

『ダークナイト』シリーズをはじめ、『メメント』や『インセプション』、『インターステラー』など、映像表現に強いこだわりを見せるクリストファー・ノーラン監督。本作でも“時間のルール”に縛られることなく、圧倒的な映像美とストーリー展開で観る者を別世界へと誘う。
そんなノーラン監督の最大の魅力について、監督の大ファンだという磯村は「一番は、誰も見たことのない世界へ連れて行ってくれるところじゃないですかね。未開拓の地に足を踏み入れる感覚を味わせてくれるというか」と興奮しながら、「『ダークナイト』シリーズから入って、それから『メメント』へと入っていったんですけど、とにかく没入感が凄くて、一緒にその世界を体験させてくれるのが魅力だと思います」と衝撃を受けた時のことを振り返っていた。

また、いち早く鑑賞したという本作について、磯村は「凄かったですねぇ。『メメント』や『インターステラー』に続いて、“時間”がテーマになっているんですが、「時間の逆行」を映像として観た時は、「自分、大丈夫?」って脳の処理が追いつかなくなりました(笑)」と照れ笑いを浮かべると、「ある程度は分からせてくれるんですけど、最終的には「自分たちで考えてください」っていうものを、今回の『TENET』でも提示してきましたね」とノーランワールドを堪能した様子。
一方、磯村とともに登壇した、メイプル超合金のカズレーザーは「毎回、自分のハードルを上げてきますよね、この人」と苦笑いを浮かべながら、「直感的に言うと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『ターミネーター2』を混ぜて、『カメラを止めるな!』をぶちかけたような、全部の良いとこ取りです」と、“らしい”表現で本作を分析していた。

最後に、磯村は「とにかくノーラン中毒になれる映画。映画館で観るべき映画です」と熱いメッセージを届けると、カズレーザーは「まずは前日にちゃんと寝てから観てください。すごく体力を使うので。僕は観終わった後に2kgくらい痩せましたから」と注意喚起も行っていた。

ステージでは、スクリーンを使用して「逆再生クイズ」コーナーも実施した。

『TENET テネット』(ワーナー配給)は、「現在から未来に進む“時間のルール”から脱出する」というミッションを課せられた主人公が、第三次世界大戦による人類滅亡の危機に立ち向かう姿を描いたサスペンス・アクション超大作。
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー、ディンプル・カパディア、アーロン・テイラー=ジョンソン、ヒメーシュ・パテル、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン ほか
9月18日(金)より全国公開。
©2020 Warner Bros. All Rights Reserved.