May 11, 2018 news

広末涼子、舘ひろしに『あぶない刑事』の走り方を真似した過去を明かす

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第213回

女優の広末涼子が、5月10日に東京国際フォーラムで行われた、映画『終わった人』の完成披露試写会舞台挨拶に登壇した。

本作は、定年を迎えて「終わった人」の烙印を押されてしまう主人公【田代壮介】(舘ひろし)と、かつての輝きを失った夫の態度に呆れつつも優しく支え続ける妻【田代千草】(黒木瞳)のリアルな夫婦・家族のあり方を描いた心温まるコメディ。

その中で、舘ひろし扮する田代が密かに想いを寄せるカルチャースクールの“小悪魔的”受付嬢【浜田久里】を演じている広末は、自身の役柄に全く共感できないとしながらも、作品のテーマでもある「定年」や「終わり」について聞かれると、「黒木さんを見ていると終わりはないなって思いました。ずっと黒木さんの鎖骨と腕に見惚れてます(笑)。私も追い掛けます!」と、いつまでも若々しく“終わりの見えない”黒木の姿に羨望の眼差しを向けていた。

また、「切実でリアリティのある台本が面白かった」と語る広末は、舘と黒木のキャスティングを聞いた時のことを振り返ると「パァッと世界が広がりました。現場に入ったらやっぱりそうかと痛感したというか、終わらなさそうな2人が演じるから、夢がある素敵な作品になったんだろうなと思いました」と目を輝かせていた。

そんな広末に対し舘は「この方は小悪魔のような人です(笑)。透明感がありながらグッと迫ってくるので、完全に誤解して妄想している田代を演じるのがすごく楽しかったです」と、その魅力を讃えると、広末は「楽しんで頂けてありがたいです。幸せです(笑)」と笑顔で返していた。

さらに、広末が「舘さんのことは小学生の頃から大好きでした」と告白し、その年齢差に客席から笑いが起きると、「『あぶない刑事』をよく見ていて、舘さんや柴田恭兵さんの走り方を真似したりしてました(笑)。憧れの人と共演すると緊張するというか、ふとした時に不思議な感覚になるんですよね。20年以上女優をやらせて頂いてますが、そういう感覚はすごく新鮮でした」と打ち明ける広末だった。

ちなみに、約20年ぶりの共演で夫婦役は今回が初めてだったという舘と黒木。お互いの印象について聞かれると、舘は「恋人役はあるんですけどね。ドラマで一緒にお風呂に入ったこともあるんですよ」と照れ笑いを浮かべると、一方の黒木は「ダンディで気配りが利いて、かゆいところに手が届く素敵な方です」と褒めちぎり、「(舘が演じる)壮介さんは真逆で、掻いてほしくないところを掻くんです(笑)。いつもとは違う舘さんが見られて新鮮でした」と口にしながら、こちらも破顔一笑していた。

舞台挨拶にはその他、中田秀夫監督、原作者の内館牧子、出演の田口トモロヲ、ベンガルが登壇した。

映画『終わった人』(東映配給)

映画『終わった人』(東映配給)は、定年を迎え世間からは「終わった人」と見られ、妻からも距離を置かれている夫が、様々な人たちと出会い繋がっていきながら、第二のキャリアを築くために奮闘する姿を描いた、内館牧子による同名小説を映画化したハートフル・コメディ。

監督:中田秀夫 脚本:根本ノンジ 出演:舘ひろし、黒木瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井翼、ベンガル、清水ミチコ、温水洋一、高畑淳子、岩崎加根子、渡辺哲、田口トモロヲ、笹野高史 ほか

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。