Mar 02, 2018 news

蒼井優、お姉さん的な要素がない自分を再発見

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第194回

女優の蒼井優が、3月1日に東宝本社で行われた、映画『ペンギン・ハイウェイ』の製作発表会見に出席した。

「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」などで知られる人気作家・森見登美彦による同名小説をアニメ映画化した本作。

この中で、主人公の少年【アオヤマ君】役を射止めたのが、オーディションで選ばれた北香那。現在、テレビ東京系で放送中のドラマ『バイプレイヤーズ』にて、中国人【茉莉(ジャスミン)】役として、遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、光石研、そして、先日亡くなった大杉漣さんを相手に堂々たる演技を見せている若手女優だ。

今回、声優初挑戦にして映画初主演を務めることになった北だが、この会見で初出しとなった最新の特報映像を観ても何の違和感なくスクリーンに存在していて、よもやこれが声優初挑戦だとは思えないくらいの出来栄えだった。その北は「昔から声優さんには憧れていて、声のお仕事をしたいという夢を持っていたので、ドキドキしながらオーディションに向かいました。すごく緊張したんですが、“どうしゃべるか”をお家で考えていたので、オーディションではそれがパッと出せた気がします」と初々しく挨拶し、「映像のアオヤマ君の表情や口の動きに合わせて細かくしゃべるのはとても難しかったです。改めて声優さんは凄いと思いました」と感嘆の声を漏らすと、「私にはアオヤマ君と同年代の妹がいるので、授業参観に行って観察したりしてたんですが、アオヤマ君みたいな子はいなかったですね(笑)」と、笑顔を見せていた。

そんな北演じる【アオヤマ君】の【お姉さん】役を務めた蒼井は「脚本を読んだ時は、想像していた話とは違う方へどんどん進んでいって、読み終わった後には、今はガムシャラに生きてますけど、すごく遠い記憶でキラキラしていた時間があったことを思い出させてくれました」と感慨深く語ると、自身が演じる役柄については「アオヤマ君に影響を与えるお姉さん役ということですが、私にはお姉さん的な要素がないなって、声をあててみて改めて分かりましたね(笑)。小さい子を引っ張っていくという役は今までやったことがなかったなぁって気付けたので、今回は新しいチャレンジができて良い勉強になりました」と、新たな自分を発見していた様子だった。

また、蒼井は、声優初挑戦の北について「本当に完璧でした。初めてじゃないくらい、元々ずっと声優をやっていた人みたいな感じでしたね。私の方が口が回らなかったりしてたくらいです(笑)」と絶賛すると、「嬉しいです!」と喜びをあらわにする北だった。続けて、蒼井は「お姉さんというキャラは難しいですが、やっとつかめてきたところなので、残りの半分のアフレコはこのままの流れで録っていければいいなと思います」と、やる気をみなぎらせていた。

さらに、本作が、不思議な体験をした少年の一夏の成長を描いた作品ということで、最近の“不思議な体験”について聞かれた蒼井は「家に帰ってきて、キッチンにある洗濯機で洗濯物を回し、そこから4m離れたところにお風呂があるんですけど、お風呂をためてキッチンに戻って皿を洗おうとした時、洗濯機が回っていることにビックリしちゃったんです。そのことをすっかり忘れてました(笑)」と、自宅の中でのさらに狭い範囲でのうっかりな出来事を思い出し照れ笑いを浮かべていた。

会見にはその他、石田祐康監督、原作者の森見登美彦が出席した。

映画『ペンギン・ハイウェイ』(東宝映像事業部配給)

映画『ペンギン・ハイウェイ』(東宝映像事業部配給)は、「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」など、数々のベストセラー作品を手掛ける人気作家・森見登美彦が、少年の一夏の成長を独特の世界観で瑞々しく描いた同名小説を、気鋭のアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」がアニメ映画化した第一回長編作品。

監督:石田祐康 脚本:上田誠(ヨーロッパ企画) キャラクターデザイン:新井陽次郎 声の出演:北香那、蒼井優 ほか

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。