コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第187回
人気声優の小野賢章が、2月1日に東京国際フォーラムで行われた、TVシリーズ第15弾『HUGっと!プリキュア』(2月4日放送開始)と、映画最新作『プリキュアスーパースターズ!』の合同会見に出席した。
子役時代からジャンルを問わず幅広く活躍し、2001年公開の映画『ハリー・ポッターと賢者の石』で主演のダニエル・ラドクリフの吹替えを務めたことがきっかけで声優としても活動をスタート。その後は、『黒子のバスケ』(黒子テツヤ役)や『遊⭐︎戯⭐︎王 ARC-V』(榊遊矢役)など数多くのテレビアニメで声優を務め、“人気声優”としての地位を確固たるものにしてきた小野。 そんな小野が、今回初参加となった『プリキュア』で声を吹き込んだのが、主人公の【野乃はな/キュアエール】が幼い頃に迷い込んだ不思議な世界で出会った男の子【クローバー】だ。
『プリキュア』という初めての世界観に、小野は「キラキラしてましたね。眩しかったです」と照れ笑いを浮かべると、「中学生の時に、妹が観ていた『プリキュア』を一緒に観ていたんですよね。ちょうど15年前のテレビシリーズ1作目だと思うんですけど。その時のことは今でも覚えていて、歌も歌えるんです(笑)」と回顧。さらに、「現場に行くとプリキュアたちがいっぱいいるんですよね。普段は男性ばかりの現場が多いので、逆転してしまってどこを見ていいのか分からなかったです(笑)」と語る小野に対し、MCが「女子校の中に入っていく感じですか?」と問うと、「そうですね。ちょっと罪悪感を感じました(笑)」と、笑顔を見せる小野だった。
また、これまで演じてきたものとは違うタイプのキャラクターである【クローバー】役については、「最初は【クローバー】の役と知らなくて、プリキュアたちよりちょっとお兄さんで、優しくてカッコイイ役なのかなと想像していたんですが、まさかの妖精の役でした(笑)。思っていたのと正反対の役柄だったのですごくビックリしましたね」と吐露。それはプリキュアを演じた声優陣も同意見だったようで、【野乃はな/キュアエール】役の引坂理絵が「声を聴いた時も最初はどなたが【クローバー】をやられているのか分からなくて、小野さんと聞いて今までの印象とは全然違くてビックリしました」と語れば、【輝木ほまれ/キュアエトワール】役の小倉唯も「小野さんとは今までちょこちょこと共演したことがあるんですが、今回は今までのイメージにない少年のような声だったので、ピュアでナイーブなお芝居も出来るんだと思って新鮮でした(笑)」と口にしていた。
その小野とともに会場に姿を現したのが、今回が声優初挑戦となった北村一輝。映画では、ウソばかりの世界に変えようとする怪物【ウソバーッカ】の声を担当している。 プリキュアたちと手を繋いで登場した北村は「こういうところに立つことはないんですが、プリキュアのみんなはカワイイですね(笑)。意外とみんな目を見てくるんですよ。キュンキュンしてたまらないです(笑)」と、場違い感に苦笑いを浮かべると、初挑戦の声優については「『プリキュア』と聞いてビックリしましたけど、嬉しかったです。すぐにやると返事をしたんですが、「自分がこの世界観に居てもいいのか?」という戸惑いもありました(笑)。ただ、誰もが知っている『プリキュア』というアニメの世界に入れるのは光栄なことだし、楽しんでやろうかなと思いました」と打ち明け、「脚本のセリフは、「なんだウソ」とか「信じないウソ」とか、普段言わないようなものばかりだったので楽しかったです(笑)」と、笑顔を見せる北村だった。
なお、シリーズ誕生15周年を記念し、第1作目『ふたりはプリキュア』が2004年2月1日に放送を開始したのにちなみ、会見当日の2月1日が「プリキュアの日」として制定された。
会見にはその他、声優キャストの本泉莉奈(【薬師寺さあや/キュアアンジュ】役)が出席した。
映画『プリキュアスーパースターズ!』(東映配給)
映画『プリキュアスーパースターズ!』(東映配給)は、最新のTVシリーズ『HUGっと!プリキュア』を中心に、3世代のプリキュアたちが大集結する、人気アニメ『プリキュア』シリーズの劇場版第24弾作品。
監督:池田洋子 脚本:米村正二 声の出演:引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、多田このみ、野田順子、美山加恋、福原遥、村中知、藤田咲、森なな子、水瀬いのり、かないみか、高橋李依、堀江由衣、早見沙織、齋藤彩夏、北村一輝、小野賢章 ほか