コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第182回
女優の長澤まさみが、1月20日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた、映画『嘘を愛する女』の初日舞台挨拶に登壇した。
本作で、主人公のキャリアウーマン【川原由加利】を演じた長澤は「今回は等身大の女性を演じましたが、この役と出会えて本当に良かったです。キャラを作る上では、中江監督からたくさんの指導を頂きました。それぞれの思いが詰まった良い映画、良いキャラになっていると思います」と挨拶すると、長澤の主演としての姿勢に、由加利の恋人【小出桔平】役を務めた高橋一生は「お芝居に関しても、監督の作り出すものに準じて、その場にしっかりといらしてました」と称え、ある目的のために由加利と道中を共にする探偵【海原匠】を演じた吉田鋼太郎も「人に気を遣う方で、優しくて、明るくて、申し分のないパートナーでした。(女優として)数々の修羅場をくぐり抜けてきただけあって、主演女優としての貫禄もありましたね」と絶賛していた。
そんな言葉の数々に、長澤は「すいません、ありがとうございます(笑)。まだまだなので、皆さんに支えられて演じることができました」と恐縮しながら、「一人ではお芝居や作品づくりは出来ないんだなと、年々色濃く感じるようになってきました」と、しみじみ語っていた。
なお、劇中では、高橋扮する桔平をめぐって、長澤と川栄李奈(【心葉】役)との女のバトルが繰り広げられる。
病院のベッドで寝ている桔平のヒゲを、川栄扮する心葉が勝手に剃っているところを目撃した由加利が強烈なビンタをお見舞いするというシーンがあるのだが、「女性にヒゲを剃ってもらうことはなかなかないので、ゾリゾリされて良い経験でした」と笑顔を見せる高橋と、「男性のヒゲを剃るのは初めてだったので嬉しかったです」と喜ぶ川栄を横目に、長澤は「ヒゲを剃ることができて嬉しいとか、ヒゲを剃ってもらえて嬉しいとか言ってますけど、私はムキーッ! みたいな感じで気持ちを込めてバチンとやりました(笑)」と吐露。それに対し、川栄は「長澤さんのビンタは痛かったですが、長澤さんにビンタされるなんて貴重な経験なので嬉しかったです!」と、さらなる喜びを噛み締めていた。
また、ステージでは、映画のタイトルにちなみ、[◯◯を愛する男/女]をフリップで発表した登壇者たち。
[お風呂を愛する女]と発表した長澤は「長風呂をしながら、汗を拭かずにどこまで耐えられるかやってますね(笑)。汗が流れてきて痒くなったりするんですが、それを耐えてる自分にグッときたりしています(笑)。長い時は1時間半くらい入ってますね」と、マゾ的な習慣を告白していた。
舞台挨拶にはその他、中江和仁監督、出演のDAIGOが登壇した。
映画『嘘を愛する女』(東宝配給)
映画『嘘を愛する女』(東宝配給)は、優れたオリジナル映画企画を募集する、第1回「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」でグランプリを受賞した、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブ・サスペンス。
監督:中江和仁 脚本:中江和仁、近藤希実 出演:長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、野波麻帆、初音映莉子、嶋田久作、奥貫薫、津嘉山正種、黒木瞳、吉田鋼太郎 ほか