コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第143回
福田雄一監督が、9月28日に丸の内ピカデリー1で行われた、映画『斉木楠雄のΨ難』の完成披露試写会舞台挨拶に登壇した。
ステージ上では、主演の山﨑賢人(【斉木楠雄】役)を差し置いて、福田監督、ムロツヨシ、佐藤二朗といった“いつもの”トリオが舌戦を繰り広げ、『銀魂』のデジャヴかと錯覚するようなやり取りが展開された。
「マジシャン役を全力でやりました、ムロツヨシです」と笑顔で挨拶する、【蝶野雨緑】役のムロに対し、観客からは「カワイイ~!」の黄色い声が。「それはお客さんがおかしいの。違うの。可愛くないの」と、ハニかむムロだった。
同じく、【神田品助】役の佐藤に対しても、観客からは「カワイイ~!」の声が。照れ笑いを浮かべながらも、客席の中に『私は滑舌が悪いんですがアドバイスください』と書かれたボードを発見すると、「好きにしろ!」と一刀両断する佐藤の姿が見られた。
そして、「カワイイ~!」とともに、「キレ~!!」の声を送られていたのが、【斉木久留美】役の内田有紀。41歳とは思えない若さと美しさで、観客だけでなく共演者をも魅了していた。その共演者というのがムロと福田監督だった。
内田が「ムロ君とは同い年なんです」と告白すると、「今度飲みに行かない?」と早速お誘いするムロ。それに対し「行かないよ」とやんわり拒否する内田。「映画の公開初日くらいには“有紀”って呼ぶようにします」と、まだまだめげないムロだった。
一方、福田監督も「スタッフも含めて、僕らの年代はみんな内田有紀世代なので、現場に内田有紀ちゃんが来るとソワソワした空気になってました」と明かすも、「ずっと「焼肉行こう!」って誘ってたのに、一度も『うん』って言わなかったんですよね」とションボリ。さらに、「ウチの奥さんと同い年なんですよ」と語る福田監督に対して、「じゃあ、奥さんと焼肉行ってきます!」と、笑顔で追い打ちをかける内田だった。
最後に、福田監督は「こういうギャグ映画って、日本ではあんまりヒットしないんだけど、こういうのがヒットすると我々の生きていく道が出来るんです。是非とも皆さんの力でヒットさせてください。そうすると、パート2が出来たりしますので」と、切実に訴えていた。
舞台挨拶にはその他、出演の橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人が登壇したほか、舞台挨拶前にはピンクカーペットイベントも実施された。
映画『斉木楠雄のΨ難』(ソニー・ピクチャーズ/アスミック・エース配給)
映画『斉木楠雄のΨ難』(ソニー・ピクチャーズ/アスミック・エース配給)は、とてつもない超能力を持っているが、その力を隠して誰にも干渉されない普通の生活を望む、高校生の斉木楠雄を主人公に描き、現在「週刊少年ジャンプ」で連載中の麻生周一による大人気マンガを実写映画化した作品。
監督・脚本:福田雄一 出演:山﨑賢人、橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一 ほか