Sep 11, 2017 news

福山雅治、受賞は逃したものの、ヴェネチアでの反応に興奮冷めやらぬ

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第137回

俳優の福山雅治が、9月9日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた、映画『三度目の殺人』の初日舞台挨拶に登壇した。

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「第74回ヴェネチア国際映画祭」に出品されていた本作。メガホンを執った是枝裕和監督にとっては、金のオゼッラ賞を受賞した監督デビュー作『幻の光』(1995年)以来22年ぶりのコンペ部門となったが、現地時間9日(日本時間10日)に行われた授賞式の結果、惜しくも今回受賞は逃した。

同じく是枝監督作『そして父になる』(2013年)でのカンヌ国際映画祭に続き、ヴェネチアの空気を肌で体感してきた、主演の福山(【重盛】役)は、授賞式前日に行われた初日舞台挨拶にて「手応えはあったと思います。エンドロールが始まる前に、すでに『ワオ!』って拍手を頂けたので、これは届いてるんじゃないか? って感じでした。作品の内容的には、もっと余韻があってからパラパラあると思ったんですが、上映が終わってから割とドン!ってきましたね」と振り返り、日本に帰ってきたばかりということもあり、未だ興奮冷めやらぬといった様子だった。

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さらに、この日の舞台挨拶では観客から、愛称の「ましゃ~!」と声援を受けていた福山だが、「今日は日本なので『ましゃ』でしたが、ヴェネチアでは『コージ!』でしたよ」と、隣に立つ役所広司(【三隅】役)を称え、「世界のコージです! 頭が下がる思いです」と、先輩に対し尊敬の眼差しを向けていた。

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また、こちらも同じく是枝監督の『海街diary』(2015年)でカンヌの空気を体感済みの広瀬すず(【山中咲江】役)は「見たことのない世界というか、熱い映画ファンの方がたくさんいらしてました。この映画の公式上映の時は、会場内が緊張感に包まれて、たまに緩む瞬間があったりしてその繰り返しでした。どんな顔をして観てるんだろう? って不思議な気持ちになりましたね」とヴェネチアを振り返ると、続けて「会場の音が忘れられないです。拍手とか『フゥ〜!』っていう声とか、何て愛おしい音たちなんだろうって幸せな気持ちでした」と、独特な表現で語り尽くす広瀬だった。

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なお、最高賞にあたる金獅子賞は、ギレルモ・デル・トロ監督の『ザ・シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』が受賞した。

舞台挨拶にはその他、出演の満島真之介が登壇した。

映画『三度目の殺人』(東宝/ギャガ配給)

映画『三度目の殺人』(東宝/ギャガ配給)は、『そして父になる』の是枝裕和監督と福山雅治が再びタッグを組み、是枝監督のオリジナル脚本で描いた法廷心理ドラマ。

監督・脚本:是枝裕和 出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、満島真之介、市川実日子、松岡依都美、橋爪功、斉藤由貴、吉田鋼太郎 ほか

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。