コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第135回
女優の小池栄子が、9月7日にTOHOシネマズ 新宿で行われた、映画『パーフェクト・レボリューション』の完成披露上映会舞台挨拶に登壇した。
本作で小池は、リリー・フランキー演じる、脳性マヒを抱えながら性への理解を訴える男【クマ】と、清野菜名演じる、人格障害を抱えた風俗嬢【ミツ】の“究極の愛”を温かく見守る介助士【恵理】役を務めているが、撮影を振り返り「クマと家族のように寄り添う介助士の役でしたが、そこにミツがやってきてから、2人の愛が膨らんでいく様子を毎日見ているのが楽しかったです。リリーさんをちゃんとお風呂にも入れたし」と、明るく語っていた。
その言葉を受けたリリーは「小池栄子さんに髪を洗ってもらえるなんて、男としてはある種のアガリですよ」とご満悦。
さらに、小池は「2月、3月の寒い中で撮影していたんですけど、海に入るシーンではブルブル震えてました」と、弱気な発言をしていたが、メガホンを執った松本准平監督によると「小池さんは男前にガンガン海に入っていくから、みんなで『やっぱり小池栄子スゲェなぁ』って言ってたんです(笑)」と、さすがの“男っぷり”だったようだ。
また、リリーは、自身が演じた【クマ】のモデルであり、本作の企画・原案を務めた熊篠慶彦氏とは10年ほど前から親交があるそうで、今回の役を演じるにあたっても「熊篠君は元々知っている人なので、ゼロから役作りをすることもなかったし、特に苦労はなかったですね」と語ったが、「車椅子の操作が難しくて、何回かレッスンに行きました」と、苦労を吐露。ただ、「俺は車の免許持ってないから車椅子を買おうかな。今ならもう俺ん家から銀座まで10分で行けますよ」と、自信満々の様子を見せつけていた。
リリーのなりきりぶりには、熊篠氏も太鼓判を押し「遠目から見たら完全に脳性マヒのオッサンでした」と会場を笑わせると、「そんな、プロの方から言われても(笑)」と、ツッコミを入れるリリーだった。
舞台挨拶にはその他、出演の清野菜名が登壇したほか、花束ゲストして、劇中歌を担当した銀杏BOYZの峯田和伸が登場した。
映画『パーフェクト・レボリューション』(東北新社配給)
映画『パーフェクト・レボリューション』(東北新社配給)は、自身も脳性マヒを抱え、障害者の性への理解を訴え続ける活動家、熊篠慶彦による実話を基に映画化した作品。
監督・脚本:松本准平 出演:リリー・フランキー、清野菜名、小池栄子、岡山天音、石川恋、余貴美子 ほか