コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第110回
劇団EXILEのメンバーである、俳優の鈴木伸之が、7月10日に丸の内ピカデリー1で行われた、映画『東京喰種 トーキョーグール』のジャパンプレミアに出席した。
世界中にファンを持つ、石田スイの大ヒットコミックを実写映画化した本作だか、登場するキャラクターたちも個性豊かなものが多く、半分人間で半分喰種(グール)の主人公【金木研(カネキ)】を演じた窪田正孝は「読書好きの冴えない男で、真っ白に染まってないのが魅力だと思います」と、カネキの魅力を語ると、「何者にもなれるけど、本人は何者なのか分からないというか、中途半端なんですが、正義を貫いていると周りからは洗脳されているように感じるみたいな」と、さらに細かくカネキの人物像を分析していた。
また、カネキが「半喰種」になってしまう“きっかけ”を与える、喰種の女性【神代利世(リゼ)】役を務めた蒼井優は「迷いがないところですかね。カネキ君が真っ白なら、リゼは漆黒のような黒さというか。正直、演じていて楽しかったです」と、リゼの魅力を語ると、さらに「カネキ君をつつけば、引っかかってくれるから、釣りをしているようでした(笑)。餌を投げたら、(カネキが)『リゼさ〜ん!』ってやって来て、ドーン! みたいな(笑)」と、カネキを手玉に取ることに快感を覚えていた様子だった。
そして、喰種たちを駆逐しようとする[CCG/喰種捜査官]の【亜門鋼太朗】役を務めた鈴木は「亜門は、真っ直ぐな人物で、漫画の中でも一番好きなキャラクターだったので、演じることができて光栄でした。ただ、漫画だと亜門は、腹筋が180個くらいに割れてるんですけど、頑張っても8個にしか割れなくてどうやったらいいんだろうって思ってました(笑)」と、亜門のムキムキキャラに、さすがのEXILEでもお手上げ状態だった。
その亜門の上司である、捜査官【真戸呉緒】を演じた大泉洋は「今までは、お調子者で、いい加減で、働かなくて、髪がチリチリの役をやることが多かったですが、今回はパッと見た感じ、ちょっと悪っぽかったので楽しみだったんです。捜査官という響きにもグッときましたし、すぐ引き受けました。でも、原作を読んでみたら、マドクレ(真戸呉緒)の、あ、つい略しちゃいましたけど(笑)、マドクレのミテクレが酷いというか、なんというか」と、いつもの軽妙な語り口で観客を笑わせていた。
なお、壇上では、原作者・石田氏からのサプライズとして、自身をモデルに描き下ろされた主人公・カネキのイラストが手渡された窪田は「感謝の言葉しかないです」と、喜びをあらわにすると、大泉は「実は私も撮影中に、石田先生から真戸呉緒のイラストを頂いたことがあるんですけど、先生はどうやら『水曜どうでしょう』の時の僕の顔を描いたみたいなんですよね。すごい間抜けな顔をしてるんですよ」と、若干の不満を口にしていた。
さらなるサプライズとして、今後、石田氏が窪田以外のキャストのイラストも描いていくことが発表され、それが7月29日(土)の映画公開初日の入場者プレゼントに決定したことが告げられると、登壇者だけではなく、会場からも大きな歓声が上がったのだった。
当日はその他、萩原健太郎監督、出演の桜田ひより、小笠原海、白石隼也、相田翔子、栁俊太郎、前野朋哉が出席した。
映画『東京喰種 トーキョーグール』(松竹配給)
映画『東京喰種 トーキョーグール』(松竹配給)は、人間社会に紛れ込んで人を喰らう怪人「喰種(グール)」たちがはびこる東京を舞台にした、石田スイによる人気コミックで、アニメ化もされた「東京喰種 トーキョーグール」を実写映画化した作品。