コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第79回
『フューリー』以来、約2年6ヶ月ぶり11度目の来日を果たしたブラッド・ピットが、5月22日にザ・リッツ・カールトン東京で行われた、Netflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』の記者会見に出席した。
本作は、アカデミー賞受賞作『ムーンライト』や『ディパーテッド』を送り出してきた、製作会社「Plan B(プランビー)」を率いるブラッド・ピットが、世界最大のオンラインストリーミングサービスであるNetflixを新たなエンタテインメントのパートナーとし製作した戦争アクション大作で、この中でブラッド・ピットは、生まれ持ったカリスマ性でアフガニスタン駐留米軍を率いるグレン・マクマーン陸軍大将を演じている。
そのマクマーンについて、ブラッド・ピットは「監督と話し合いながら作っていきましたが、話している間にもそのキャラクターのことで大いに笑いました。この作品で戦争の愚かさや滑稽さを見せるなら、まずはマクマーンの愚かさや滑稽さを見せたいと思ってました」と、その魅力を語ると、「マクマーンは自分が偉大な存在だと思い上がっていて、滑稽でバカバカしく見えるのがポイントです。(劇中でマクマーンが履いている)短いパンツは僕のアイデアです(笑)。このパンツを新しいトレンドとして流行らせましょう(笑)」と、笑いを交えながらマクマーンの人物像について明かしていた。
また、ブラッド・ピットは「最初はマクマーン個人を描いたところから始まりますが、映画が進むにつれて、戦争や報道の話を描きながら色々な質問を投げつけてくるんです。勝利とは何か? 勝利というものは手に入るのか? と。最後にそういうことを観ている方々に投げ掛けたくて、この作品の製作に至ったんです」と、その経緯を語っていた。
そして、本作のメガホンを執ったデヴィッド・ミショッド監督に対しては「素晴らしいダンサーです(笑)。よくヒゲを剃ってくるのを忘れますが、心が広くてとても良いリーダーです。ユニークで自分のビジョンをしっかりと持っているので尊敬します」と、巧みな“話術”を使ってヨイショしていたのだった。
『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』
『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』は、実在の人物を描いたベストセラーの原作から発想を得て製作された、Netflixのオリジナル映画で、将軍グレン・マクマーンの栄光と衰退を描きながら、現代の戦争の裏側に迫った戦争アクション大作。