コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第78回
モデルで女優の武田玲奈が、5月20日にテアトル新宿で行われた、映画『ポエトリーエンジェル』の初日舞台挨拶に登壇し、渾身の右ストレートを放った。
リングの上で自作の詩を朗読し勝敗を決める「詩のボクシング」を題材にした本作で武田が演じたのは、吃音という悩みを抱え、友人を作らずボクシングのトレーニングにひたすら励む女子高生【丸山杏】。
吃音とボクシングという難しい設定に挑戦した武田は「ボクシングもあんまりやったことなかったですし、吃音のこともあまり分かってなかったので、最初は難しいなと思っていましたが、クランクイン前に2ヶ月くらいジムに通ったり、吃音の方にお話を聞いたりして役作りしながら撮影に臨んでました」と、役作りについて語っていた。
そんな武田は、主演の岡山天音(【玉置勤】役)と同じく、今から約3年前に本作の飯塚俊光監督が製作した短編『チキンズダイナマイト』という作品に出演しているが、その時のことを振り返った武田は「『チキンズダイナマイト』の時は、お芝居を始めたばかりでよく分からないことばかりだったので、あれから3年経ってまた呼んで頂き、ガッツリと飯塚さんとできたので嬉しかったです」と、飯塚監督との再会を喜んでいた。
対して、飯塚監督は武田について「『チキンズダイナマイト』で初めて武田さんを見た時から、絶対に芯の強い人だと思いました。武田さんはモデルとかもやっていますが、そういうところではなく芯の強い部分にフィーチャーして作品を作ってみたいと思ったんです」と、その魅力を語っていた。
さらに、壇上では、クラウドファンディングの特典となっていた、武田によるパンチ一発プレゼントが実施され、登壇した男性の胸に強烈な右ストレートを打ち込み、芯の強さだけではない、パンチ力の強さも見せつけた武田なのであった。
本気のパンチに一瞬「ウッ」と息が詰まっていた男性も、その後は恍惚の表情を浮かべていた。
舞台挨拶にはその他、出演の岡山天音、鶴見辰吾、角田晃広(東京03)、山田真歩、下條アトムが登壇した。
映画『ポエトリーエンジェル』(アークエンタテインメント配給)
映画『ポエトリーエンジェル』(アークエンタテインメント配給)は、リングの上で自作の詩を朗読し、どちらの言葉が聞き手の心に届くかを判定して勝敗を決める「詩のボクシング」を題材にした青春エンタテインメント作品。
公式サイト http://poetryangel.net/